【フローラS】の血統データから血統傾向を見ていきます。
『
サドラーズウェルズ(SW)系・
フェアリーキング(FK)系』
~スタミナ血統開花の場~
過去のフローラSの血統データ(9年分)

『
サドラーズウェルズ(SW)系・
フェアリーキング(FK)系』
~スタミナ血統開花の場~
2・3歳の牝馬限定戦で、この時期までに行われる2000m超のオープン競走は、このレースと忘れな草賞のみです。
距離未経験の馬はもとより、2000m以上のレースを経験している馬でも条件戦とオープンのペースは違うため、未知な領域での戦いになりやすい面があります。
フローラSはオークスより400m短いトライアルですが、ある意味オークスよりもスタミナが問われるレースと言えます。
これはラップにも表れており、オークスでは道中1Fが12.5秒よりかかるラップを刻むところが最低3F以上、さらに緩いときは13秒台のラップが道中並ぶ年もあり、一呼吸おけるのが特徴です。
これに対してフローラSでは、道中で12.5秒以上になるのは1F程度であるケースがしばしば見られます。
権利持ちの有力馬がほとんど出てこない真のトライアルレースで、各馬権利を取りにいくため淀みのない流れになりやすいといえます。
これまでの芝1800m以下を中心とした2・3歳戦でスピード負けして実力を発揮できなかった、隠れたスタミナ血統を持った馬が開花する重賞です。
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過去の好走血統を見ても、欧州色の強い系統が結果を出しています。
勝ち馬で、大穴をあけた3頭として印象深いのは以下の3頭です。
02年
ニシノハナグルマ(9人気) <
父ネヴァーベンド(NB)系>
03年
シンコールビー(14人気) <
父レッドゴッド(RG)系>
06年
ヤマトマリオン(11人気) <
父サドラーズウェルズ(SW)系>
これらは凱旋門賞など欧州を中心に活躍している系統です。
これらの系統は、ここまでの2・3歳の牝馬限定戦で傾向が出るレースが少ないため、人気薄になりやすい面があります。
この中でも特に好走が目立つのが
サドラーズウェルズ(SW)系と、その全兄弟の系統である
フェアリーキング(FK)系です。
この2つの系統は平場でも好走がリンクすることがあり、似た適性を持っているといえます。
02年 4着
マイネハルモニア(12人気) <
父サドラーズウェルズ(SW)系>
03年 2着
タイムウィルテル(3人気) <
母父サドラーズウェルズ(SW)系>
03年 3着
センターアンジェロ(4人気) <
父サドラーズウェルズ(SW)系>
04年 2着
グローリアスデイズ(3人気) <
母母父サドラーズウェルズ(SW)系>
04年 3着
ムーンフェイズ(10人気) <
父フェアリーキング(FK)系>
05年 3着
アスピリンスノー(11人気) <
父母父サドラーズウェルズ(SW)系>
06年 1着
ヤマトマリオン(11人気) <
父サドラーズウェルズ(SW)系>
08年 2着
カレイジャスミン(6人気) <
母父フェアリーキング(FK)系>
08年 4着
メイショウベルーガ(16人気) <
母父サドラーズウェルズ(SW)系>
この2つの系統は、前述の忘れな草賞の好走血統でもあり、スタミナ血統開花の代表血統と言えそうです。
今年の同レースも
母父サドラーズウェルズ(SW)系のワンツーでしたね。
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・
メジロジェニファー <
ホワイトマズル×
Sadler's Wells>
父リファール(LP)系自体はこのレースでは特に目立ちませんが、忘れな草賞では好走血統です。
前走の未勝利勝ちは大阪杯の週でしたが、その週に行われた芝2000mのレースは3レースとも父か母父が
サドラーズウェルズ(SW)系の馬が勝利しました。
スタミナ勝負への裏づけがあり、血統傾向の反映能力が証明されているのは大きなアドバンテージです。
サドラーズウェルズ(SW)系の傾向を生かして激走する馬は、過去にもその実績を持っているケースが多いです。
・
ブルーミングアレー <
シンボリクリスエス×
Lycius>
母母父サドラーズウェルズ(SW)系です。
ここ2戦は
グレイソヴリン(GS)系の傾向が出ていた相手を中心に先着されており、悲観するものではありません。
その前の2戦は相手が悪かったですしね。
人気を集めそうですが、適性は高そうです。
桜花賞でもふれたように、今年の牝馬路線は同系統どうしの決着が目立ちます。
忘れな草賞の結果からも、この2頭を中心に攻めたいですね。