【クイーンS】の血統データから血統傾向を見ていきます。
『洋芝適性』
『
ニジンスキー(NJ)系』
クイーンSの血統データ(10年分)

『洋芝適性』
よく指摘される事柄で、敢えて持ち出すのが若干気恥ずかしいですが、この時期の裏開催である新潟・小倉が野芝オンリーということもあり、無視できない要素ではあります。
事実わかりやすい条件ながら、
03年以降に5人気以下で馬券になった馬にはすべて、札幌もしくは函館の芝で好走歴(勝ち鞍)がありました。
03年 1着
オースミハルカ (7人気) 新馬戦など
04年 1着
オースミハルカ (5人気) 03年1着
04年 2着
エルノヴァ (5人気) 1000万条件など
05年 1着
レクレドール (5人気) 500万条件
05年 2着
ヘヴンリーロマンス (7人気) 1000万条件2着・500万条件など
05年 3着
レクレドール (7人気) 05年1着
07年 2着
イクスキューズ (6人気) 札幌2歳S3着・クローバー賞
07年 3着
ディアチャンス (5人気) 1000万条件・500万条件など
08年 3着
フミノサチヒメ (12人気) 1000万条件など全4勝
09年 1着
ピエナビーナス (11人気) 1000万条件など全4勝
09年 3着
アメジストリング (6人気) 1000万条件・500万条件など
実績があってもあまり人気にならない傾向にあります。
もっとも、巧者の
フミノサチヒメに
ピエナビーナスときて、そろそろ人気の要素になるかもしれませんが。
もちろん実績ありで走っていない馬もいますが、人気薄を狙うならベースの条件にはしたいですね。
あとは次項の血統で絞り込んでいきます。
洋芝巧者の特徴としては、他の競馬場では速い上がりを使えない(使ったとしても負けている)のに、洋芝になると速い上がりを使えて好走できる点にあります。
これは上記、
フミノサチヒメ・
ピエナビーナスの2頭の戦績を見るとよくわかります。
オースミハルカなどにも、同様な傾向があります。
これらは軽い野芝中心の馬場だとスピードに乗り切れませんが、洋芝のパワーが要求される馬場だと力を発揮することができます。
逆に1人気で4着に敗れた
アドマイヤキッスは、洋芝実績(未勝利戦)はありましたが、この馬は他の競馬場でも速い上がりを使えていました。
こうしたタイプは危険な要素を孕んでいると思います。
今年の登録馬でこの実績を持つのは、すでに好走のある
ピエナビーナス・
レジネッタ以外では2頭です。
・
ダークエンジェル 1000万条件・500万条件
・
ブラボーデイジー 未勝利戦
特に
ダークエンジェルは2つ目の要素にも合いますし、いいと思います。
『
ニジンスキー(NJ)系』
これもよく言われる好走血統ですが、主要4系(父・母父・父母父・母母父)に
ニジンスキー(NJ)系を持つ馬が優勢です。
00年 2着
エイダイクイン (7人気) 母父
ホリスキー00年 3着
サンデーピクニック (2人気) 母父
Caerleon01年 1着
ヤマカツスズラン (1人気) 父母父
Nijinsky01年 3着
ムーンライトタンゴ (3人気) 父母父
Nijinsky02年 3着
サクラヴィクトリア (9人気) 母母父
マルゼンスキー03年 1着
オースミハルカ (7人気) 父
フサイチコンコルド04年 1着
オースミハルカ (5人気) 父
フサイチコンコルド04年 3着
ヤマニンシュクル (3人気) 母父
Nijinsky06年 2着
ヤマニンシュクル (2人気) 母父
Nijinsky07年 1着
アサヒライジング (5人気) 父母父
マルゼンスキー07年 3着
ディアチャンス (5人気) 母父
マルゼンスキー 父母父
Caerleon08年 3着
フミノサチヒメ (12人気) 父母父
Caerleon09年 1着
ピエナビーナス (11人気) 母父
Caerleon09年 2着
ザレマ (1人気) 父母父
Nijinsky上記の洋芝巧者である、
フミノサチヒメ・
ピエナビーナスの2頭もこの血を持ち、洋芝向きの血統と言えますね。
今年の登録馬でこの血統を持つのは、すでにそれぞれ好走・凡走のある
ピエナビーナス・
ムードインディゴ以外では3頭です。
・
ダークエンジェル 父母父
Nijinsky・
ヒカルアマランサス 母母父
Caerleon・
モーニングフェイス 父母父
マルゼンスキー
以上より、注目馬をあげていきます。
・
ダークエンジェル (
ダンスインザダーク×
エリシオ)
洋芝実績があり、
ニジンスキー(NJ)系も持ちます。
また、このレースでは
サンデーサイレンス×
Sadler's Wellsのエルノヴァ・ヘヴンリーロマンスが激走していますが、当馬も
父サンデーサイレンス(SS)系に加え、母父父である
Fairy Kingは
Sadler's Wellsの全兄弟で、同配合と見ることもできます。
1000万条件を勝ったばかりですが、注意が必要な馬だと思います。
・
モーニングフェイス (
スペシャルウィーク×
Sadler's Wells)
洋芝の経験はありませんが、
ニジンスキー(NJ)系を持ちます。
また上でふれた、
サンデーサイレンス(SS)系×
Sadler's Wellsの配合でもあります。
忘れな草賞やミモザ賞といった、欧州要素が強いレースで好走しているのもいいと思います。
1月の東京芝2400m戦で、トウカイメロディにクビ差4着というのも悪くないですね。
もう1頭の
ニジンスキー(NJ)系持ちである
ヒカルアマランサスや、他の馬については予想でふれたいと思います