【レパードS】の血統データから血統傾向を見ていきます。
『米国型レース』 ~ダート重賞の米国型・日本型血統分類~ 『米国型ダート血統の一流馬への条件』 ~母系の米国ダート実績~ レパードSの血統データ(参考;09年エルムS) ![]() ![]() 『米国型レース』 ~ダート重賞の米国型・日本型血統分類~ 昨年考案し好調が続いている、「ダート重賞の米国型・日本型血統分類」で分析します。 基本的な考え方はこちらをご参照ください。 まずこのレースが米国型なのか日本型なのか、判断をしていきます。 といっても昨年創設されたばかりの重賞で、同コースで常時行われている重賞も他にないため、昨年新潟の同コースで代替開催されたエルムSも併せて参考にします。 ・レパードS(09年) 1着 1人気 トランセンド(ワイルドラッシュ×トニービン) 2着 3人気 スーニ (Soto×Roanoke) 3着 7人気 スタッドジェルラン(キングカメハメハ×Black Tie Affair) 勝ち馬トランセンドは米国型ダート血統の代表格であるワイルドラッシュ産駒です。 この種牡馬は押し並べて米国タイプの産駒を輩出しますが、当馬もその例に漏れません。 以前から何度もふれてきましたが、この馬は米国型のレースには滅法強いですが、日本型のレースになると途端に脆さを露呈します。 武蔵野SやアンタレスSが好例で、アンタレスSは1倍台の人気でしたが、しっかり消すことができました。 2着スーニはSoto産駒で、これも典型的な米国型のヴァイスリージェント(VR)系です。 距離的な限界が出ている馬ですが、この距離でも走れたのはレース(コース)に対する適性がかなりあったのではないかと推測します。 3着スタッドジェルランはキングカメハメハ産駒で、この系統のキングマンボ(KG)系は日本型のダート馬が出やすいのですが、母系次第で一部例外は認められます。 この馬の場合もその例外が当て嵌まり、母系の米国ダート色が強く(後述します)、父と母父がともにミスタープロスペクター(MP)系となることからも、米国タイプに分類します。 ・エルムS(09年) 1着 2人気 マチカネニホンバレ(シンボリクリスエス×Deputy Minister) 2着 10人気 ネイキッド (フレンチデピュティ×サンデーサイレンス) 3着 5人気 クリールパッション(ワイルドラッシュ×トニービン) 勝ち馬マチカネニホンバレは、シンボリクリスエス産駒でヴァイスリージェント(VR)系のDeputy Ministerを併せ持つという点で、サクセスブロッケンと似た血統構成です。 この2頭はともに米国型で、日本型レースとなった昨年の武蔵野Sでは上記トランセンドも含め、3頭揃って馬券圏外に沈みました。 2着ネイキッドも父のフレンチデピュティがヴァイスリージェント(VR)系です。 母母もStorm Cat×Damascusと米国色豊かです。 3着クリールパッションは父と母父が、上記トランセンドと同じでかなり似たタイプです。 この馬のこのレース以降に使ったダート重賞はすべて日本型で、その為かあと一歩のレースが続いています。 ということで、同コースで行われた重賞は2分の2で米国型決着となっています。 サンプルが少ないですが、日本型の重賞が多い中でこれだけ奇麗に傾向が出ているのは、信頼性があると思います。 この両レースは道中のペースがかなり違ったのですが、それでも同じ血統傾向を示したのはコース的なレイアウトに要因があるのかもしれません。 今年の馬場状態のチェックは必要ですが、米国型とみて勝負できると判断します。 『米国型ダート血統の一流馬への条件』 ~母系の米国ダート実績~ さて、米国型ダート血統馬で攻めることは決まりましたが、今年は登録馬に該当馬が多いため、更なる絞り込み条件が必要になります。 これまで米国型レースが少ないこともあって、米国タイプの詳細分析はあまりしてこなかったので、今回はちょっと踏み込んで見ていきたいと思います。 ちょっと横道に逸れますが、米国型ダート血統馬で日本ダート界で一流に上り詰めた馬には、ひとつ共通項があることに気付きました。 上でふれたサクセスブロッケンが勝った09年のフェブラリーSは、1-3着をすべて米国タイプが占めた、超絶米国型レースでした。 ・フェブラリーS(09年) 1着 6人気 サクセスブロッケン(シンボリクリスエス×サンデーサイレンス) 2着 3人気 カジノドライヴ (Mineshaft×Deputy Minister) 3着 1人気 カネヒキリ(フジキセキ×Deputy Minister) これらの馬は父系を見ても米国的なダート要素を持っていますが、それ以上に母系の影響が大きいと思われます。 血統表でいうとボトムラインとなる、一番下の部分ですね。 以下の分析は、アメリカのレースを扱いますが、同国の競馬にあまり明るくない自分が見ており、信頼性を確認できていないサイトを頼った部分もあるので、データ上のミスが出ている可能性があります。 同国の数多くあるダートG1の、その中での格もつかみにくいこともあり、考え方のイメージが伝わればという趣旨でご覧ください。 サクセスブロッケンは、母のサクセスビューティこそ芝のフィリーズR(芝の中ではとてもダート色が強い重賞ではあります)を勝っていますが、3代母のColonial WatersがBCディスタフで2着したのを筆頭に、ジョンA.モリスHでG1を制しています。 カジノドライヴに至っては、母のBetter Than Honourが2年続けてベルモントS勝ち馬を輩出するなど、ここでは書ききれない程の掛値なしの超良血です。 カネヒキリは、母のライフアウトゼアが種牡馬Silver Deputyの全妹と良血です。 この3頭のように、日本ダート界で活躍できる米国型ダート血統馬には、母系に米国ダート実績がある牝馬がいることが条件になるのではないかと考えます。 蛇足ですが、今年のフェブラリーSで本命にしたテスタマッタもこの条件を満たす米国型ダート血統馬でした。 もちろん、向こうで活躍した牝馬を中心に輸入するということはあるかと思いますが、その中でもその質は問われるのではないでしょうか。 では上記のレパードS・エルムSの馬券圏内馬6頭も検証してみましょう。 トランセンドは、母系に直接の活躍馬はいないようですが、4代母のアイアンエイジがケンタッキーDを親子制覇した名馬Swapsの全妹です。 スーニは、3代母のSoft as Satinがファンシミンの半妹で、その他にも活躍馬が多数いる米国の名牝系です。 スタッドジェルランは、2代母のハイランドトークが米G1ガゼルHの勝ち馬です。 マチカネニホンバレは、2代母のAlysbelleがケンタッキーDやBCクラシックなどG1で9勝をあげた名馬Alyshebaの全妹です。 ネイキッドは、母アランダがファレノプシスの全妹というパシフィカスに遡る牝系ですが、2代母のキャットクイルが米国ダート戦線で活躍したSunday Breakを出しています。 クリールパッションは、2代母のコートネイズデイがブライアンズタイムの全姉です。(ブライアンズタイムBT系自体は日本では日本型ダート血統に分類していますが、自身の現役時代は米国のダートG1戦線で走っています。) というように、どの馬にも一本筋の通った血統が入っています。 同じ米国型ダート血統を持つ馬でも、両レースで圏内に入れなかった馬は、この条件に引っ掛かる馬が多いです。 例えばエルムSで5着だったナムラハンターがひとつの例で、この馬の4代母であるフリーズザシークレットは英オークスと英1000ギニーの2着馬で、欧州芝のほうに実績があり、米国ダートとはちょっと離れます。 同じワイルドラッシュ産駒でも、クリールパッション・トランセンドに先着を許したのは、このあたりに説明を求められるのではないでしょうか。 以上より米国型ダート血統馬の中でも、母系の米国ダート実績(牝系の質)というのが、絞り込みの有効な条件と考えられます。 いよいよ今年の登録馬を見ていこうと思ったのですが、かなり長くなってしまい時間も掛かってしまったので、続きは次回(明日木曜日更新予定)に譲りたいと思います。 米国型の中から注目馬を厳選し、人気を集めそうな日本型の危険馬にもふれたいと思います。 |
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201008182330 |
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