【デイリー杯2歳S】の血統データから血統傾向を見ていきます。
『
サンデーサイレンス(SS)系の瞬発力が生きるレース』
~ペースと配合による適性分析~
デイリー杯2歳Sの血統データ(10年分)

『
サンデーサイレンス(SS)系の瞬発力が生きるレース』
~ペースと配合による適性分析~
近6年で5勝と
サンデーサイレンス(SS)系の重要度が高いことは疑いようがありません。
この系統の勝ちきりが多いレースでは、一定以上の瞬発力が求められるのが基本線となります。
ただ
サンデーサイレンス(SS)系が勝ち出した04年以降はペースが疎らになっており、各年の差はしっかり拾っていく必要がありますね。
大きく3つに分けるなら、前半1000m通過に60秒以上を要した05・07年はスローペース、57秒台で飛ばした08年はハイペース、58~59秒台の04・06・09年は平均ペースといえるでしょうか。
04年以降唯一の非サンデーサイレンス(SS)系の勝ち馬が出た08年は、ハイペースの影響が大きいと判断します。
勝ち馬シェーンヴァルトは血統からもその後のレースぶりからも、瞬発力で勝負するタイプではありませんからね。
ここまでのペースにならなければ、基本的に
サンデーサイレンス(SS)系の優位は動かないでしょう。
今年はその年のホッコータキオンのように引っ張って逃げる馬もいないようですしね。
6分の5となる平均~スロー想定で組み立てる予定です。
サンデーサイレンス(SS)系で好走が多いのが、主要4系(父・母父・父母父・母母父)に
リファール(LP)系や
ニジンスキー(NJ)系を併せ持つ配合の馬です。
前者との組み合わせでは
ペールギュント(母父)・
キャプテントゥーレ(母母父)・
リディル(母父)・
ダノンパッション(母母父)が、後者では
タケミカヅチ(母父)・
ウイントリガー(母母父)・
ホッコータキオン(母母父)などが馬券になっています。
この2つの血からは、瞬発力だけではなく欧州的なスタミナ要素も重要ということがわかります。
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・
アドマイヤサガス (
フジキセキ×
Gone West)
父サンデーサイレンス(SS)系ですが、母系の米国ダート色が強いのが気になります。
上で欧州的なスタミナ要素をあげましたが、これと相反する方向性です。
このような配合は京都よりも阪神、距離も1600mより1400mのほうがいいタイプが多いですね。
ただスローの瞬発力勝負には強い配合ではあるので、かなり遅いペースになった場合には注意です。
・
エイシンオスマン (
ロックオブジブラルタル×
Luhuk)
非サンデーサイレンス(SS)系なのがネックです。
この点から
父ダンチヒ(DZ)系のもう一頭との比較で弱くなるのは仕方ない面があります。
新馬戦の勝ち馬は札幌のステークスで2着しましたが、このレースでは
サンデーサイレンス(SS)系の有無をしっかり見せつけられた印象で、同じような負け方をする恐れがあります。
・
クリーンエコロジー (
キングカメハメハ×
Unbridled's Song)
非サンデーサイレンス(SS)系ですが、2頭出走して7人3着と8人3着の
父キングマンボ(KG)系です。
これだけで注意が必要なのは当然なのですが、その2頭に比べて当馬は母系の米国ダート色が強いのが気になります。
平均ペースで流れた場合不安があり、この馬もスローペースならという印象です。
・
グランプリボス (
サクラバクシンオー×
サンデーサイレンス)
母父サンデーサイレンス(SS)は3頭出走で、ライラプスとウイントリガーが馬券になっており当然注目です。
ただ唯一圏外の1頭が当馬と同じ
サクラバクシンオー産駒でした。
もう1頭の
母父サンデーサイレンス(SS)との比較でこの点はマイナスとなります。
・
トップシャイン (
ゼンノロブロイ×
メジロライアン)
父サンデーサイレンス(SS)系で、ここ2戦上がり33秒台の脚を使っています。
ただ配合的にはそこまでキレるタイプではなく、前半の遅すぎるペースによるものかと思います。
血統的には特に嫌う要素もないですが推す要素もありません。
・
トラストワン (
マイネルラヴ×
デヒア)
非サンデーサイレンス(SS)系の不利をどう克服するかです。
リファール(LP)系と
ニジンスキー(NJ)系を持つ点はいいですが課題は残ります。
・
ミッキーマスカット (
スニッツェル×
サンデーサイレンス)
注目の
母父サンデーサイレンス(SS)です。
父の
ダンチヒ(DZ)系は上で注目した
リファール(LP)系や
ニジンスキー(NJ)系に似た適性を持っており、逆配合のダイアモンドヘッドが2着しています。
新潟2歳Sで結果的に本命対抗となった1・2着馬が同じく
母父サンデーサイレンス(SS)でしたが、このレースも基本的に
サンデーサイレンス(SS)系の瞬発力が生きるレースです。
その1・2着馬に言えることですが、1200mや1400mしか使っていないと
母父サンデーサイレンス(SS)の瞬発力が発揮しづらく適性が隠れます。
そのような馬はマイルくらいの距離をゆっくり追走させると、突如として瞬発力を発揮します。
当馬も初のマイル戦でこれまでにない瞬発力を出せる可能性を秘めます。
父は違いますが兄のグローリーシーズやモンテトウルヌソルにもこの特性は表れています。
キレる脚をまだ見せていない分人気もないでしょうし、非常に面白い存在だとみています。
・
メイショウナルト (
ハーツクライ×
カーネギー)
父サンデーサイレンス(SS)系で、母母父が
ニジンスキー(NJ)系です。
野路菊Sは1800m施行になってから特に
サンデーサイレンス(SS)系が強いレースで、ここでの2着は同じ方向性を持つこのレースに向けて評価できます。
人気でも評価は下げられないですね。
・
レーヴディソール (
アグネスタキオン×
Highest Honor)
父が
サンデーサイレンス(SS)系で、母父が
グレイソヴリン(GS)系です。
この2つの血を主要4系(父・母父・父母父・母母父)に併せ持つ馬は、ペールギュントやキャプテントゥーレにウイントリガーが好走しているのですが、この3頭は上であげた
リファール(LP)系か
ニジンスキー(NJ)系も持っていました。
当馬は母母母父が
ニジンスキー(NJ)系ではあるのですが、やや気になる点ではあります。
それとレーヴドスカーの子供全般に言えることですが、走る血統ではあるもののレース振りが他力本願な馬が多いのも、ペースに作用されやすいという点で不安があります。
遅いペースになるとそこまでキレる配合ではないため、差し損ねる可能性があります。
もうひとつ言えることは血統的には良さそうなのに負けた
サンデーサイレンス(SS)系の人気馬に、当馬のような緩いペースしか経験していない馬が多いことです。
ショウナンパントルやアラシヲヨブオトコにフローライゼといったところです。
2歳戦ということで経験がものを言うのかもしれませんね。
ここ3年で4頭馬券圏内の
アグネスタキオン産駒というだけで、わざわざケチを付ける必要はないのかもしれませんがね。