馬場改修後7年の3着以内馬の内訳(同一馬重複含む)は、
父サンデーサイレンス(SS)系が12頭、
母父サンデーサイレンス(SS)が2頭、
父グレイソヴリン(GS)系が3頭、
タニノギムレット産駒が2頭、その他が2頭となっています。
タニノギムレットは自身の母父である
グレイソヴリン(GS)系の影響が強い種牡馬であり、
父グレイソヴリン(GS)系とみなして考えます。
つまり
サンデーサイレンス(SS)系と
グレイソヴリン(GS)系の血がポイントになります。
その他の2頭はシンボリクリスエスとメイショウサムソンで、既に複数のG1を手にしていた馬でした。
今年は非該当馬でそこまでの実績がある馬はいません。
もうひとつのポイントは、
サンデーサイレンス(SS)系は父でも母父でもいいですが、
グレイソヴリン(GS)系は父系に限るという点です。
サンデーサイレンス(SS)系が強いレースは瞬発力が問われるというのは常識ですが、近年の東京芝に限っては
グレイソヴリン(GS)系も瞬発力勝負になっても好走が目立つ血統です。
以上より、馬場改修後のこのレースはかなり瞬発力が問われる要素が強いといえます。
ペースですが、大方の予想通りシルポートが行くことになりそうです。
スローに落として逃げるタイプではないので、超スローはないとみます。
ただかといってそこまで飛ばすタイプでもなく、絡んで来そうな馬もいません。
近年の競馬の傾向からして、こうした場合は後続があまり追いかけない場合が多く、今回のような伏兵が行く場合は尚更です。
2番手以降はスローといったケースも考慮すべきかと思います。
また、今開催の東京芝は異常なほどペースが遅くなるレースが多く、上級条件でもそれは見られます。
このレースはさすがにドスローはないでしょうが、
サンデーサイレンス(SS)系の瞬発力を殺すような激流は想像しづらいです。
今年も瞬発力が問われるレースになるとみます。
馬場状態も気になります。
馬場が悪化した00・01・07年は
欧州型ノーザンダンサー(ND)系が台頭しました。
朝一で重の発表、日中は何とか持ちそうですから、良までは難しそうですが稍重くらいにはなりそうです。
07年に近い状況でしょうか。
ただ今年は土曜に使用していないので、それほど荒れていないのではないかとみます。
当日の傾向次第ですが、そこまで道悪適性に拘る必要はないかと思います。
府中の雨上がりの内渇き馬場については何ともいえませんが、重視する馬がほとんど内枠なので、あまり心配はしていません。
◎
ジャガーメイル (
ジャングルポケット×
サンデーサイレンス)
グレイソヴリン(GS)系×
サンデーサイレンス(SS)です。
京都記念・目黒記念・アルゼンチン共和国杯などで
グレイソヴリン(GS)系の傾向を生かせるのは証明済みで、天皇賞春では
母父サンデーサイレンス(SS)の瞬発力を発揮しました。
また当馬は母母父が
ノーザンテースト(NT)ですが、近年はプラス要素としてこの血を併せ持つアドマイヤグルーヴ・ダイワメジャー・カンパニー・ダイワスカーレット・スクリーンヒーローが好走しています。
また今開催の芝2000mではスローペースが多いからか、
母父サンデーサイレンス(SS)が9人2着・5人1着・8人1着など激走傾向にあります。
同じ
ジャングルポケット産駒で
ノーザンテースト(NT)持ちのトーセンジョーダンもアイルランドトロフィーを制しています。(この馬はカンパニーの同族でもあり、来年あたり狙い目になりそうです)
休養明けのマイナス面は確かにありますが、その分オッズに還元されているので目を瞑ります。
母自体は持続力配合の
サンデーサイレンス(SS)×
ノーザンテースト(NT)である分、極端な瞬発力勝負を後方からいくと厳しいですが、ミドルペースで中団内々に付けられればですね。
道悪に関しては多少残っても問題ないはずです。
○
ブエナビスタ (
スペシャルウィーク×
Caerleon)
サンデーサイレンス(SS)系×
ニジンスキー(NJ)系はダンスインザムードが好走しており、父のスペシャルウィークも優勝馬です。
並外れた実力で適性をカバーしてきたものの、本領発揮はやはり
サンデーサイレンス(SS)系本来の瞬発力を生かせるレースです。
そういう意味でこのレースは今までの中でも、最も向いたレースかもしれません
テン乗りであり、スローになった時に差し損ねる可能性はあるものの、人気でも素直に評価するしかありません。
▲
アクシオン (
サンデーサイレンス×
Dixieland Band)
瞬発力上位の
サンデーサイレンス(SS)直仔です。
同様に
サンデーサイレンス(SS)系の瞬発力が生きる、スローの鳴尾記念に勝利しています。
穴で期待したい馬です。
△
スマイルジャック (
タニノギムレット×
サンデーサイレンス)
タニノギムレット×
サンデーサイレンス(SS)です。
グレイソヴリン(GS)系&
サンデーサイレンス(SS)系の適性を生かせるのは、過去に好走した重賞で証明済みです。
昨年の敗退をどう見るかですが、人気薄で穴注目の血統です。
△
ペルーサ (
ゼンノロブロイ×
Candy Stripes)
サンデーサイレンス(SS)系×
レッドゴッド(RG)系はそこまで瞬発力はないので、スローの上がり勝負では苦しいです。
ただペースが上がれば走っても何ら不思議はないです。
◎3 ジャガーメイル
○2 ブエナビスタ
▲11 アクシオン
△6 7
<無印馬>
10
シンゲン (
ホワイトマズル×
サンデーサイレンス)
母父サンデーサイレンス(SS)なので、無理に勝負しなくてもいいのかもしれません。
しかし父の
リファール(LP)系が不安材料であるのは確かです。
この系統の特に
ダンシングブレーヴの系譜は、
サンデーサイレンス(SS)系と対極と言える血統で、秋華賞を見るとこれがよくわかります。
このレースでも父系では近年ずっと圏内がありません。
当馬は
母父サンデーサイレンス(SS)なの何とかするかもしれませんが、この血は
サンデーサイレンス(SS)系の瞬発力を殺いでしまうので、ハイペースにならないと他のキレがよりある馬にやられる可能性があり、それに賭けてみます。
12
アーネストリー (
グラスワンダー×
トニービン)
母が
グレイソヴリン(GS)系×
ノーザンテーストと、こちらも無理に消す必要はないかもしれません。
ただ持論としては、
グレイソヴリン(GS)系は母父では駄目だと思いますし、単体では瞬発力に欠ける
グラスワンダー産駒というのも気掛かりです。
現にまだ、
サンデーサイレンス(SS)系の瞬発力が生きるレースでの経験・実績がありません。
ペースが流れれば別ですが、乗り方が難しいのも確かです。
非サンデーサイレンス(SS)系であることを重視して、敢えて嫌ってみます。