【東京スポーツ杯2歳S】の血統データから血統傾向を見ていきます。
『瞬発力血統の優先順位』
東京スポーツ杯2歳Sの血統データ(7年分/改修後)

『瞬発力血統の優先順位』
東京芝1800m重賞はペースによって求められる適性が変化します。
と言ってもこれは古馬混合重賞の場合で、2歳(東スポ杯)・3歳(共同通信杯)重賞に限れば、ペースで迷う必要はまずありません。
特に馬場改修後の03年以降は傾向に変化が見られ、ペースも毎年ほぼ安定しています。
前半1000mは60秒前後とスローで流れ、最後の直線でラップが急に速くなる、いわゆる勝負処が存在します。
このポイントが改修前はラスト3ハロン→2ハロンにかけてあり、改修後は4ハロン→3ハロンと手前にシフトしています。
ラップが一気に速くなる4ハロン→3ハロンというのは4コーナーのカーブの出口に位置するので、いくら改修でカーブが緩くなったとはいえトップスピードに入りづらい面があります。
血統的にはその急加速に対応できる瞬発力が求められるといえますね。
よって対象は改修後に絞り、共同通信杯も参考にします。
共同通信杯の血統データ(7年分/改修後)

瞬発力血統といっても様々で、重要度も違います。
今回の展望では、自分の定義する瞬発力血統の基本的な分類と、今回のレースでの優先順位についてまとめます。
・
母父サンデーサイレンス(SS)瞬発力血統の代表といえば、やはり
サンデーサイレンス(SS)系です。
その中でも瞬発力を極めて増強するのが、
母父サンデーサイレンス(SS)です。
特に今回のようなはっきりとしたチェンジオブペースが発生するレースに滅法強く、それを証明するように両レース通算の成績は6-3-2-5と圧倒的です。
・産駒に芝G1実績のある
父ミスタープロスペクター(MP)系過去に両レースで好走した
父ミスタープロスペクター(MP)系は、
エンドスウィープ・エルコンドルパサー・キングカメハメハ・ウォーエンブレム・スマートストライクといった面々です。
一般に
ミスタープロスペクター(MP)系はパワーがありスピードの絶対値は非常に高いものの、
サンデーサイレンス(SS)系と比べると瞬発力では見劣ります。
ただ芝G1でも走る産駒を出せる種牡馬に限れば、超スローの瞬発力勝負で台頭することがあります。
これは今年のダービー馬エイシンフラッシュで痛感したことです。
サンデーサイレンス(SS)系を重視したスワンSで、非サンデーサイレンス(SS)系のショウナンアルバを穴馬として取り上げたのはこの考え方からきています。
ただ、今年は該当馬がいませんね。
・瞬発力配合となる
父サンデーサイレンス(SS)系配合の組み合わせは多くなるので、代表的な好走馬を見ておきましょう。
まずは今年の共同通信杯の勝ち馬であるハンソデバンドです。
当馬は母父が
アフリートで、これは上の芝G1実績のある
ミスタープロスペクター(MP)系種牡馬という条件が効いていると考えられます。
特にダート色が強めの種牡馬が母父に入ったほうが、キレる脚が使える印象があります。
またそのレースで2着のダノンシャンティは、
Haloの3×3のクロス所有馬でした。
以上のように、
母父サンデーサイレンス(SS)の優位は動かず、その後に下2項目が続きます。
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マイネルラクリマ (
チーフベアハート×
サンデーサイレンス)
今年の
母父サンデーサイレンス(SS)は当馬だけです。
新潟2歳Sで重視し好走したように、瞬発力勝負での実績もあります。
ただ父が
欧州型ノーザンダンサー(ND)系という配合馬は過去に出走がありません。
素直にここから入ればいいのか、一考の余地はありますね。
・
ダコール (
ディープインパクト×
Unbridled)
父サンデーサイレンス(SS)系で、母父が
Unbridledです。
Unbridled産駒はレッドチリペッパーにNHKマイルC3着があり、まあ許容範囲かと思います。
また
ディープインパクト産駒というのも面白いです。
以前に何度かふれていますが、ウインドインハーヘアの牝系は軽めの
ミスタープロスペクター(MP)系と配合されると瞬発力が増強されるからです。
ディープインパクト産駒にも、今のところその性質が出ている印象です。
今回は
サンデーサイレンス(SS)系の有力馬が多く、非サンデーサイレンス(SS)系の見るからに危険なお客さんはいませんね。
その分
サンデーサイレンス(SS)系の取捨選択が鍵になります。
今回あげなかった馬の評価は予想でふれたいと思います。