【朝日杯フューチュリティS】の血統データから血統傾向を見ていきます。
『近2年の異質なラップから狙える血統』
朝日杯フューチュリティSの血統データ(10年分)

『近2年の異質なラップから狙える血統』
朝日杯は一目には血統傾向が安定していないように感じられるレースです。
このようなバラつきが生まれる要因としては、改修による馬場状態・コースの変化、ペースの不安定さ、などが考えられます。
このレースについては後者がポイントになっており、近年はその重要度が増しています。
父か母父が
サンデーサイレンス(SS)系でこのレースを勝ったのは、
サンデーサイレンスの初年度産駒のフジキセキ(94年)を皮切りに、バブルガムフェロー(95年)・メジロベイリー(00年)・フサイチリシャール(05年)・ドリームジャーニー(06年)・セイウンワンダー(08年)・ローズキングダム(09年)という顔ぶれです。
この7年すべてに共通するのは、前半1000m通過が58秒台~59秒台と遅かったことです。
逆に非サンデーサイレンス(SS)系の勝ち馬が出た年は、同タイムが56秒台~57秒台が中心と速いのが特徴です。
一昔前のこのレースは、クラシック競走と比較して
サンデーサイレンス(SS)系の成績が芳しくないレースでしたが、近年は流れが落ち着くケースが多く、勝ち馬を出す割合が増えています。
そのスローな流れの中でも、特注なのが近2年のラップです。
・08年 12.2-10.8-11.3-12.0-
12.5-
12.6-11.7-12.0
・09年 12.0-10.8-11.4-11.9-
12.3-
12.3-11.7-11.6
800m~1200mの2ハロンでラップが大きく落ちているのが特徴です。
この地点はバックストレッチにかけて坂を下り切ってスピードに乗った辺りに位置し、勝負所の4角が近いこともあって、通常はこういうラップにはなりづらいです。
過去の同コースのレースで、ここまで大きく減速するレースはほとんど記憶にはありません。
こうしたチェンジオブペースのレースに強いのが、
母父サンデーサイレンスです。
ここ2年連勝しており、特にローズキングダムのレース振りを見ると特徴がわかりやすいと思います。
またここ2年はローズキングダム・フィフスペトル・ダイワバーバリアンと、
キングマンボ(KG)系の血も見逃せません。
この2年とラップ形状は違いますが、前半1000m通過が近年で唯一59秒台となった05年も
母父サンデーサイレンスが勝っています。
このフサイチリシャールに08年のブレイクランアウトと、
ヴァイスリージェント(VR)系にも注目です。
もうお気付きかと思いますが、これらは先週の阪神JFで狙った系統です。
近年のスローペース御三家と言ってもいいかもしれませんね。
さて今年のペース予想です。
先週も言ったとおり、今年の2歳世代はスローのレースばかりで、今回のメンバーにもしっかりとした逃げ馬が見つかりません。
近年のスローペースの増加に影響していると思われるのが、東京競馬場の改修です。
京王杯2歳Sと東スポ杯はこのレースの主要ステップですが、改修後はこの2つのレースもスローペースが増えました。
勝負所の前でラップが緩むことも多く、それがここ2年の異質な流れにもつながっていそうです。
今年の両レースもスローペースでした。
今年もスローで問題ないと見ており、ここ2年のような変則ラップになる可能性もありますね。
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注目馬をあげていきます。
今年は
キングマンボ(KG)系、
ヴァイスリージェント(VR)系に出走がなく、
母父サンデーサイレンスが3頭います。
そのうち
サクラバクシンオー産駒の
グランプリボスは厳しい面があり、以下2頭を取り上げます。
・
ロビンフット (
ゼンノエルシド×
サンデーサイレンス)
いちょうSで
母父サンデーサイレンスの傾向を反映した実績があります。
・
マイネルラクリマ (
チーフベアハート×
サンデーサイレンス)
新潟2歳Sで
母父サンデーサイレンスの傾向を反映した実績があります。
この2頭は
母父サンデーサイレンスだけでなく、このレースに向いた系統も持っており、そのあたりは予想でふれたいと思います。