【京都金杯】の血統データから血統傾向を見ていきます。
『
グレイソヴリン(GS)系』
京都金杯の血統データ(10年分)

京都金杯には、このコースの他の重賞とは一風変わった面があります。
それは
サンデーサイレンス(SS)系の神通力がそれほど効かないことです。
実際に比較してみましょう。
以下は各レースの過去10年の、父か母父が
サンデーサイレンス(SS)系の勝利数です。
京都金杯 4勝
シンザン記念 7勝
京都牝馬S 6勝
デイリー杯 7勝
マイルCS 6勝
もともと
サンデーサイレンス(SS)系が強い当コースですが、このレースでは最小の4勝となっています。
しかもその内の1勝であるマイソールサウンドは後述する好走血統の影響が強く、実質3勝といえます。
その3勝もダイタクリーヴァの連覇とハットトリックによるもので、すべて1人気でした。
シンザン記念勝ちの
サンデーサイレンス(SS)系でこのレースにも出走してくる馬は多いですが、前述のダイタクリーヴァ以外は目立った成績を残せていません。
サイレントディール・グレイトジャーニー・ペールギュントは圏外、アドマイヤオーラも2回出て1人気の2着が一度だけでした。
シンザン記念とは開催時期が1週も違いませんが、大きな違いがあると言っていいでしょう。
今回ある程度人気を集めそうな
ガルボには気になる点です。
以上より
サンデーサイレンス(SS)系の瞬発力が活きるレースではなく、この系統を買うにしても持続力を持ったタイプのほうがいいでしょう。
『
グレイソヴリン(GS)系』
逆にこのレースで強いのが
グレイソヴリン(GS)系です。
02年 2着
ゴッドオブチャンス 3人気 (父Cozzene)
03年 1着
サイドワインダー 3人気 (父トニービン)
04年 1着
マイソールサウンド 9人気 (父タマモクロス)
04年 2着
サイドワインダー 1人気 (父トニービン)
08年 3着
カネトシツヨシオー 9人気 (母父トニービン)
09年 1着
タマモサポート 7人気 (父タマモクロス)
05年~07年は出走馬自体がおらず、05年の
サンデーサイレンス(SS)系上位独占は仕方ない面があります。
この系統の人気薄が勝った04・09年に共通するのは、前半のペースが速かったことです。
前半1000m通過が04年は57.6秒、09年は57.9秒でした。
この系統はハイペースが好走条件になることが多く、これも頷けます。
逆にダイタクリーヴァが連覇した01・02年は、それぞれ59.0秒、58.7秒でした。
このコースはペースが速くなると非サンデーサイレンス(SS)系寄りに、遅くなると
サンデーサイレンス(SS)系寄りにというのが、一般的な目安ですね。
グレイソヴリン(GS)系を狙うには、一定の淀みないペースが必要と言えます。
さて今年のペースがどうなるかです。
シルポートが先手で、
マイネルファルケ・
ガルボが続き、
リーチザクラウンも前で競馬する可能性があります。
シルポート単体だとマイルでそれほど速い逃げは打たないでしょうが、マイネルファルケは2番手で競馬した今年の安田記念・マイルCSでハイペースの一端を担いました。
昨年のこのレースではマイネルレーニアの2番手で、前半1000m通過は58.2秒でしたが、今年も同じくらいのペースは期待してもよさそうです。
グレイソヴリン(GS)系が動けるペースになるとみたいですね。
・
スマートステージ (
ジャングルポケット×
サンデーサイレンス)
グレイソヴリン(GS)系×
サンデーサイレンスという配合は、9人気で勝利したマイソールサウンドと同じ配合です。
中長距離で活躍した同馬に近い印象もありますが、すでに重賞を2つ勝っていた実績面はかなり劣ります。
前年相性が悪かったのも躊躇する点です。
・
ネオヴァンドーム (
ネオユニヴァース×
トニービン)
サンデーサイレンス(SS)系×
トニービンで、母母父が
ノーザンテーストというのは、9人気で3着したカネトシツヨシオーと同じです。
きさらぎ賞で本命に応えてくれたように、
グレイソヴリン(GS)系の傾向の反映実績があります。
・
バトルバニヤン (
ジャングルポケット×
Crafty Prospector)
09年に本命にして5着と不発でした。
ただ終始後方の外々を回る競馬で当馬の持ち味が出たとは言いにくく、直線の伸び自体は悪くありませんでした。
当馬は若い頃は
グレイソヴリン(GS)系の傾向を生かせないことがありましたが、小倉記念で本命に応えて好走したように、しっかり傾向を反映できるようになってきました。
リベンジで再び狙う価値はあるとみています。