【フィリーズレビュー】の血統データから傾向を見ていきます。
『芝ダート兼用血統』
フィリーズレビューの血統データ(4年分)

近年は有力馬がチューリップ賞をステップにするケースが多く、メンバーレベルが低くなりやすいレースです。
阪神芝1400mという特殊な適性が要求されるコース設定も、桜花賞に繋がりづらい要素になっており、改修後は特にその傾向が強まっています。
逆に言えば飛び抜けた馬がいない状況で、今まであまり問われたことがない適性が求められるため、波乱が起きる確率は高くなります。
固い傾向にあるチューリップ賞と比べても、血統でひっくり返せる度合いは大きく、力が入るレースです。
この条件1本に絞った、桜花賞では全く要らないような血統を狙います。
『芝ダート兼用血統』
過去の好走馬から求められる適性を分析します。
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ベストオブミー (
ブライアンズタイム×
Nashwan) 08年 2着(7人気)
ダートで2勝をあげ、芝は重賞で2戦してともに着外でした。
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レディルージュ (
ブライアンズタイム×
Kingmambo) 09年 3着(15人気)
芝とダートでそれぞれ1勝ずつあげていました。
この2頭はともに
ブライアンズタイム産駒で、このレース以前にダート勝ちがありました。
ブライアンズタイムは晩年は適性がダートにシフトした種牡馬で、この2頭もダート要素を強く持った馬です。
前者はその後芝では結果が出ずダート路線を歩んでいますし、後者は芝の短距離重賞で好走したものの、先日ダートの1600万戦を勝ってオープン入りしました。
またこの2頭の母父はそれぞれ
レッドゴッド(RG)系と
キングマンボ(KG)系で、この2系統は日本競馬の芝中長距離G1とダートG1の両方で実績があります。
ブライアンズタイムも全盛期はその傾向にありました。
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サウンドバリアー (
アグネスデジタル×
Seattle Slew) 10年 1着(9人気)
ダート勝ちはないものの、前走のエルフィンS(9着)で切れ負けしていました。
こういった芝マイル以上の瞬発戦で足りないタイプが、穴をあけやすい傾向にあります。
父の
アグネスデジタルは自身が芝中距離G1とダートG1を制しており、上記ポイントと同じです。
以上を踏まえて、その他の
ミスタープロスペクター(MP)系にも注目です。
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キンググローリアス ⇒ ボールドエンペラー (ダービー2着)
マックスキャンドゥ 98年 1着(3人気)
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ジェイドロバリー ⇒ ヤマカツスズラン (阪神3歳牝馬S)
メイショウアヤメ 98年 2着(6人気)
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ティンバーカントリー ⇒ アドマイヤドン (朝日杯FS)
ヤマカツリリー 03年 1着(1人気)
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エンドスウィープ ⇒ アドマイヤムーン / スイープトウショウ
ラインクラフト 05年 1着(1人気)
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Woodman ⇒ ヒシアケボノ (スプリンターズS)
アストンマーチャン(母父) 07年 1着(1人気)
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Seeking the Gold ⇒ シーキングザパール / マイネルラヴ
ハギノルチェーレ(母父) 07年 3着(5人気)
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キングカメハメハ ⇒ ローズキングダム / アパパネ
レディアルバローザ 10年 3着(5人気)
ミスタープロスペクター(MP)系はダートを主戦場とする種牡馬が多いですが、芝G1でも勝ち負けできるような産駒を出せる種牡馬を、父か母父に持つ馬が好走しています。
父ミスタープロスペクター(MP)系の中で、特に強いのが
母父ナスルーラ(NL)系との配合です。
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メイショウアヤメ (
ジェイドロバリー×
ミルジョージ) 98年 2着(6人気)
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ヤマカツリリー (
ティンバーカントリー×
ミルジョージ) 03年 1着(1人気)
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モンパルナス (
サンダーガルチ×
トウショウボーイ) 03年 2着(3人気)
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ダイワパッション (
フォーティナイナー×
シェイディハイツ) 06年 1着(3人気)
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サウンドバリアー (
アグネスデジタル×
Seattle Slew) 10年 1着(9人気)
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レディアルバローザ (
キングカメハメハ×
Tejano Run) 10年 3着(5人気)
この系統と組み合わせると、芝の瞬発力要素が薄れ、ダート的な持続力が強くなると考えられます。
以上より、登録馬を見ていきます。
その前にポイントを整理しておきます。
☆芝ダート兼用血統
☆
サンデーサイレンス(SS)系は、ダート要素を持ち、持続力タイプとなる配合馬
☆芝未勝利馬も可
☆芝1200mや芝1400mの持続力レースで好走している馬
☆芝マイル以上の距離で、キレ負けしている馬
★芝マイル以上の距離で瞬発力で勝っている馬は危険
★ダート色が薄く、瞬発力タイプの
サンデーサイレンス(SS)系の人気敗退が多い
★完全なダート馬は駄目(例:ラブミーチャン)
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アイアムアクトレス (
アグネスタキオン×
Danzig Connection)
09年の2着馬アイアムカミノマゴの全妹です。
母が
ダンチヒ(DZ)系×
ミスタープロスペクター(MP)系と、このレースの好走血統の配合です。
同じ
サンデーサイレンス(SS)系×
ダンチヒ(DZ)系の配合には、05年2着(7人気)のデアリングハートがいます。
2頭とも母系の米国色が強いのが特徴です。
姉と同じくダートで2勝をあげ、このレースに臨みます。
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オーシャンフリート (
アフリート×
トニービン)
ミスタープロスペクター(MP)系×
ナスルーラ(NL)系は、今年は当馬だけです。
アフリートは桜花賞馬プリモディーネを輩出しています。
全兄のオーシャンクルーズも芝ダート兼用馬でした。
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ニシノステディー (
グランデラ×
ジェイドロバリー)
父ダンチヒ(DZ)系は、07年にアマノチェリーランが2着(10人気)と穴をあけています。
母父も上で取り上げた
ジェイドロバリーです。
前走芝マイルでキレ負けし、2走前の500万戦、3走前のサフラン賞と、持続力型の上がりがかかるレースで好戦しています。
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フレンチカクタス (
タイキシャトル×
Broad Brush)
タイキシャトルは、産駒が芝ダート両方のG1を制しています。
ただこれに加えて、母父に
Broad Brushとなると、ややダートに寄り過ぎな気もします。
昨年同父で本命にし、僅差4着だったニシノモレッタのほうが、
母父レッドゴッド(RG)系でよかったと思うのですが。
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ドナウブルー (
ディープインパクト×
Bertolini)
サンデーサイレンス(SS)系×
ダンチヒ(DZ)系ですが、母系は欧州芝で活躍したファミリーで、ダート要素は薄いです。
芝マイルの白菊賞で強烈な瞬発力を発揮してしまっているのが、逆にこのレースでは大きく脚を引っ張るとみます。
現段階では消しの予定です。
血統的にはかなり楽しめそうなメンバーです。
同コースのレースが土曜に2鞍組まれているので、それもしっかり考慮して、結論を出します。