京成杯は各年でレースの流れが異なるため、血統もペースによってフィルターをかける必要があります。
世代限定競走は血の入れ替わりも早いことから近年の成績を重視しますが、ここ5年でも充分傾向が出ています。
適性が特に高かったと思われる、人気薄激走馬を中心に見ていきます。
ハイペース・スローペースの定義は馬場差などもあり難しいですが、あくまで自分の判断基準で分けさせていただきます。
【07年】
SLOW2.01.6 良
ラップ 12.5 - 10.7 - 12.6 - 12.0 - 13.0 - 12.6 - 12.9 - 12.0 - 12.4 - 12.2
ペース 12.5 - 23.2 - 35.8 - 47.8 - 60.8 - 73.4 - 86.3 - 98.3 - 110.7 - 122.9 (35.8-36.6)
レースPSI 56.7
1着
サンツェッペリン (
テンビー×
オジジアン) 3人気 ⇒米国型
母父の
オジジアンが
テディ(TD)系で米国ダート血統です。
2着
メイショウレガーロ (
マンハッタンカフェ×
Carson City) 1人気 ⇒米国型
母が
Carson City×
Devil's Bagで米国色が強い配合です。
Haloの3×4のクロスで瞬発力が補完されています。
【08年】
HIGH2.02.9 良
ラップ 12.6 - 11.6 - 13.4 - 12.2 - 12.5 - 12.1 - 12.2 - 11.4 - 11.4 - 12.2
ペース 12.6 - 24.2 - 37.6 - 49.8 - 62.3 - 74.4 - 86.6 - 98.0 - 109.4 - 121.6 (37.6-35.0)
レースPSI 48.4
2着
ベンチャーナイン (
エイシンサンディ×
コマンダーインチーフ) 12人気 ⇒欧州型
3着
アイティトップ (
マヤノトップガン×
コマンダーインチーフ) 4人気 ⇒欧州型
母父の
コマンダーインチーフが
リファール(LP)系で欧州色の強い血です。
ちなみに4・5着馬もそれぞれ母父と父が
コマンダーインチーフで、大きなブラッドバイアスが出た年でした。
【09年】
SLOW2.02.7 良
ラップ 12.1 - 11.5 - 12.6 - 12.6 - 13.2 - 12.6 - 12.6 - 11.7 - 11.6 - 12.2
ペース 12.1 - 23.6 - 36.2 - 48.8 - 62.0 - 74.6 - 87.2 - 98.9 - 110.5 - 122.7 (36.2-35.5)
レースPSI 55.4
1着
アーリーロブスト (
バブルガムフェロー×
Mazel Trick) 2人気 ⇒米国型
父が
バブルガムフェロー、母が
Mazel Trick×
Diabloと米国色が強い配合で、後にダート路線に移行した馬です。
Haloの3×5のクロスで瞬発力が補完されています。
3着
モエレビクトリー (
ゴールドヘイロー×
オジジアン) 13人気 ⇒米国型
母父の
オジジアンが
テディ(TD)系で米国ダート血統です。
父の
ゴールドヘイローも
サンデーサイレンス×
Seeking the Goldです。
【10年】
SLOW2.03.6 良
ラップ 12.5 - 11.1 - 13.6 - 12.7 - 13.3 - 12.6 - 12.6 - 12.4 - 11.4 - 11.4
ペース 12.5 - 23.6 - 37.2 - 49.9 - 63.2 - 75.8 - 88.4 - 100.8 - 112.2 - 123.6 (37.2-35.2)
レースPSI 59.3
1着
エイシンフラッシュ (
King's Best×
Platini) 1人気 ⇒瞬発力型
2着
アドマイヤテンクウ (
キングカメハメハ×
サンデーサイレンス) 3人気 ⇒瞬発力型
ラスト2ハロンがともに11秒台、レースPSIが過去最高値とかなりのスローでした。
欧州・米国という区分以前に、
キングマンボ(KG)系や
母父サンデーサイレンスの瞬発力が生きて、人気どころで平穏に収まった印象です。
【11年】
HIGH2.00.9 良
ラップ 12.6 - 11.0 - 12.4 - 12.0 - 12.3 - 11.9 - 12.1 - 12.1 - 12.1 - 12.4
ペース 12.6 - 23.6 - 36.0 - 48.0 - 60.3 - 72.2 - 84.3 - 96.4 - 108.5 - 120.9 (36.0-36.6)
レースPSI 44.5
1着
フェイトフルウォー (
ステイゴールド×
メジロマックイーン) 2人気 ⇒持続力型
父の
ステイゴールドは持続力タイプの
サンデーサイレンス(SS)系です。
当馬は母父の
メジロマックイーンが
ヘロド(HR)系で、持続力要素が増しています。
また4・5着馬も
ステイゴールド産駒でした。
2着
デボネア (
アグネスタキオン×
Singspiel) 8人気 ⇒欧州型+持続力型
母が
サドラーズウェルズ(SW)系×
ダンチヒ(DZ)系で欧州色の強い血です。
父の
アグネスタキオンも
サンデーサイレンス×
ボールドルーラー(BR)系で持続力を補完しています。
3着
プレイ (
ロックオブジブラルタル×
サンデーサイレンス) 7人気 ⇒欧州型
父の
ロックオブジブラルタルが欧州型の
ダンチヒ(DZ)系です。
以上より基本的なスタンスをまとめておきます。
HIGH ⇒欧州型&持続力型
・
ダンチヒ(DZ)系/
リファール(LP)系/
サドラーズウェルズ(SW)系などの欧州型
ノーザンダンサー(ND)系・
ステイゴールド産駒などの持続力型
サンデーサイレンス(SS)系SLOW ⇒米国型&瞬発力型
・
ミスタープロスペクター(MP)系や
オジジアンに代表される米国型ダート血統
・
Haloのクロス、
母父サンデーサイレンス、
キングマンボ(KG)系などの瞬発力血統
・
アーデント (
ディープインパクト×
Kaldoun) ⇒持続力型
母が
グレイソヴリン(GS)系×
ネヴァーベンド(NB)系で持続力が増しており、鋭い決め手があるタイプではありません。
よってペースは流れたほうがいいですが、このレースへの
グレイソヴリン(GS)系の適性自体がもうひとつの印象です。
・
アドマイヤブルー (
キングカメハメハ×
フジキセキ) ⇒瞬発力型
キングマンボ(KG)系×
サンデーサイレンス(SS)系で瞬発力タイプです。
ホープフルSと同程度の流れなら有力ですが、速いペースになったときはどうでしょうか。
・
キネオピューマ (
アドマイヤムーン×
ブライアンズタイム) ⇒米国型
ミスタープロスペクター(MP)系×
ブライアンズタイム(BT)系で、米国分類にしておきます。
この2系統がよく走っていた、先週までの中山芝の傾向が続いているかどうかです。
・
サトノプライマシー (
ネオユニヴァース×
ティンバーカントリー) ⇒米国型
母が
ティンバーカントリー×
Nureyevで米国+ダートタイプです。
全兄リバティバランスがダートでオープンまでいきましたが、スローならこのくらいダート寄りのほうがかえっていいでしょう。
・
スノードン (
アドマイヤムーン×
Lemon Drop Kid) ⇒米国型
自分は
ネイティヴダンサー(NA)系を黄色で分類していますが、この馬は血統表が黄色で埋め尽くされています。
何とも言い難い配合ですが、
キングマンボ(KG)系と
サンデーサイレンス(SS)系があるので、瞬発力もあるのでしょう。
・
ブライトライン (
フジキセキ×
King of Kings) ⇒欧州型+米国型
母父は
サドラーズウェルズ(SW)系で欧州型です。
ただサーガノヴェルを出している母系で、もともとは米国色が強いです。
バランスがとれていると見るか、中途半端と見るかが難しいところです。
・
ベストディール (
ディープインパクト×
Marchand de Sable) ⇒欧州型+持続力型
サンデーサイレンス(SS)系×
ヌレイエフ(NV)系の配合です。
欧州色はさほど強くないですが、持続力はある配合です。
・
マイネルロブスト (
ゼンノエルシド×
メジロライアン) ⇒欧州型+持続力型
父の
ゼンノエルシドは
ニジンスキー(NJ)系で欧州型です。
ただ欧州色はそれほど強くなく、扱いが難しい1頭です。
瞬発力がある配合ではないので、スローペースは向かないはずです。
・
マナウス (
ダイワメジャー×
Sadler's Wells) ⇒欧州型+持続力型
母父が
Sadler's Wellsで欧州型です。
母母父も
ボールドルーラー(BR)系で持続力が増強されています。
ハイペースなら面白い1頭だと思っています。
・
レッドシャンクス (
Galileo×
Overbury) ⇒欧州特化型
Galileoは
サドラーズウェルズ(SW)系で、母系も欧州
ノーザンダンサー(ND)系で構成されている、欧州要素が特化した馬です。
ここまでいくと、
オース×
コマンダーインチーフの配合で3着に入ったコスモオースティンの05年のように、不良馬場になるなどペースだけでなく馬場要素も求められそうです。
・
ロジメジャー (
ダイワメジャー×
Cryptoclearance) ⇒米国型
母父の
Cryptoclearanceは
ファピアノ(FP)系で米国型です。
中山金杯の勝ち馬フェデラリストはこの系統でした。
最終的なペース判断は枠確定後ですが、08年の
コマンダーインチーフ、11年の
ステイゴールドのように、同系統のまとめ取りの確率が高くなるのはハイペースのときです。
今年の登録馬では
サドラーズウェルズ(SW)系あたりが狙い目でしょうか。
ただ最近ペースが上がらないレースが多い中山なので、悲しみのスローペース張りも視野に入れておかないといけませんね。