【NHKマイルC】展望
過去のNHKマイルCの血統データから好走血統を見ていきます。

昨年もディープスカイが快勝したように、
サンデー(SS)系×
ダンチヒ(DZ)系配合の適性の高いG1です。この配合は、ダービー・安田記念を含めて春開催の東京G1に滅法強いです。今年はこの配合の出走はありませんが、父母父・母母父まで目をくばると、グランプリエンゼルが
父母父DZ系と
母父SSの配合、バンガロールが
父SS系と
母母父DZ系の配合となっています。特に、グランプリエンゼルは、昨年の13人4着ドリームシグナルと同配合で注目でしょう。
次に、4頭出走中3頭の激走馬を出している
フジキセキ(FJ)産駒を挙げておきます(16人5着・9人2着・6人3着)。登録馬ではツクバホクトオーがいますが、当馬はFJの強い新潟2歳Sで結果を出しているので、ここでの復活は十分考えられます。
また、
フジキセキは
SS×
セントサイモン(ST)系の配合で構成されていますが、
SSと
STの血を持つ馬の適性も非常に高いです。06年1着ロジック・08年1着ディープスカイの母母父は
ST系で、FJ産駒と併せてこの組み合わせを持つ馬の成績は2-1-1-2です。今年は、自身がこの配合で構成されている
マンハッタンカフェ産駒のアントニオバローズとジョーカプチーノがいます。今年もローレルゲレイロが高松宮記念を勝ったように、NHKマイルと高松宮記念の関連性がよく言われますが、1200mで活躍できる下地を持つ馬に向くレースと言え、ファルコンS快勝のジョーカプチーノは注目でしょう。
フジキセキ産駒好走の要因は、キレ味とパワーを併せ持つタイプが向くレースであることが挙げられますが、こうしたレースに同じく強いのが
フレンチデピュティ~
クロフネ(
ヴァイスリージェントVR系)のラインです。当G1でも2-3-0-4と抜群の成績を残しています。今年の登録馬では、父でサトノロマネ・ティアップゴールド、母父でブレイクランアウトがいます。ブレイクランアウトについては、共同新聞杯で考察したように(詳細は記事末)、
フレンチデピュティの影響が強い馬です。休みあけを理由に凡走してほしくないところです。
最後に、今の東京T1600mに相性のいい
キングカメハメハ産駒を挙げておきます。スガノメダリスト・フィフスペトル・ベルベットロードがいます。
<共同通信杯回顧より一部抜粋>
スマートストライクという種牡馬は、米国で同一年にBCクラシックとBCターフの勝ち馬を輩出しています。BCクラシックを制したカーリンの
母父がデピュティミニスター(ヴァイスリージェントVR系)、BCターフの勝ち馬の
母父がシアトリカル(ヌレイエフNV系)ということから考えても、母父の特性を引き出して高レベルな産駒を輩出する印象があります。日本で言えば、サンデーサイレンスやエンドスウィープに近いですね。特に、同じ
ミスプロ(MP)系ということで、エンドスウィープに近い印象で、ブレイクランアウトの切れ味はアドマイヤムーン(父エンドスウィープ)を彷彿とさせます。
ブレイクランアウトの
母父はVR系ですが、芝のG1馬も多数輩出しているフレンチデピュティです。父スマートストライクが、母父フレンチデピュティの適性を引き出したと考えています。共同通信杯ではこれで、フレンチデピュティのライン(クロフネ産駒含む)が4頭出走し3頭とも馬券になりました。今後の重賞においても、この馬はMP系×ND系という字面ではなく、フレンチデピュティの特性を意識して考えていきたいと思います。