![]() 今回は2強と言われているその一角、ディープスカイの血統適性を中心に検証します。 世間一般では非常に評価が高い馬で、もちろん強い馬ではありますが、過去の戦績を適性面も考慮して見ていくとそれほど抜けた存在ではないことがわかります。この馬が評価される最大の要因は、NHKマイルC→ダービーの鮮やかな2段抜きにあります。ただこの2レースは、当馬にとって大きな血統的アドバンテージのあるレースでした。ディープスカイの血統は近年の両レースのほぼ理想といえるもので、それは今年の両レースの結果で確信に変わりました。ではその2レースがいかにこの馬に向いていたかを見ていきます。 ディープスカイ血統 父サンデーサイレンス(SS)系・母父ダンチヒ(DZ)系・母母父リボー(RI)系 NHKマイルC(今年の展望はこちら) SS系×ダンチヒ(DZ)系にとても強い傾向が出ています。今年はそれに準ずる、母が同配合のグランプリエンゼルが人気薄で3着しました。また、SS系にセントサイモン(ST)系の血を持つ馬もかなりの高適性で、今年はジョーカプチーノが人気薄で勝利しました。今思えば今年なぜ外したの?と思うようなレースでした。それはさておき、ディープスカイの母母父リボー(RI)系はセントサイモン(ST)系の支流ですから、この2つのポイントをともに満たすA級の適性があったといえます。 日本ダービー(今年の予想はこちら) このレースもSS系×ダンチヒ(DZ)系が強いレースです。今年もロジユニヴァースが勝利し、SS系で母母父DZのナカヤマフェスタが9人4着とあと一歩で圏内でした。またSS系×母母父リボー(RI)系にも適性があります。キングカメハ・ハーツクライに真正面から喧嘩を売りにいったハイアーゲームの健闘の3着、今年のナカヤマフェスタの好走があります。ディープスカイはここでもモデル配合といえる適性の高さでした。 この2レース勝って当然というのは失礼な言い方ですが、この馬の能力を考えればそりゃあ勝つよという適性の高さでした。両レース以外の適性がそれほど高くないレースでは、割とフラフラした危うさを感じさせるレースをしています。もちろんそれでも馬券圏内に来ているわけですから強い馬ではあるのですが、これらのレースは目立った適性の低いレースというのもありませんでした。そこで今回の安田記念で求められる適性がどういったものかということが、当馬の浮沈の鍵を握ります。 安田記念の適性を論じる上で、同開催中に同距離でおこなわれる2つのG1、NHKマイルC・Vマイルとの関連性が重要になります。Vマイル展望でもふれましたが、この両レースは来る血統に共通点があり、NHKマイルC=Vマイルと見ることができます。今年のVマイルはSS系にセントサイモン(ST)系の血を持つセラフィックロンプは惨敗でしたが、NHKマイルC好走血統の父ヴァイスリージェント(VR)系が2・3着で穴を演出しました。 さてでは安田記念もこの2レースと同様なのかということです。自分の答えはノーです。というよりむしろかなり性質が異なるレースと見ています。当レースは来ている馬の血統に、両レースとの関連性がほとんど見られません。関連がないというのを証明するのは、ある場合に比べて格段に難しいのですが、少なくとも先にあげたNHKマイルカップ・Vマイル好走血統の活躍は安田記念では見られません。 また安田記念は長らくSS産駒が勝てなかったように、SS系には鬼門といえるG1です。ダイワメジャーがSS直仔唯一の勝ち馬になりそうですが、当馬が本格化してからのレースぶり、全妹ダイワスカーレットのレースぶりなどを見ても、この一族は持続力に優れた血で、SSの瞬発力を前面に出さない印象があります。このように来るSS系といえば、一族のなかでは異端といえる持続力で勝負するタイプの馬達です。他にはツルマルボーイ・ジョリーダンスが激走しているダンスインザダーク産駒もそうですね。これに対し純粋なキレ・スピードで勝負するタイプは苦戦傾向にあります。ディープスカイはアグネスタキオン産駒ですし、このタイプといえます。 これに対し、VマイルはSS系が席巻しているレースです。NHKマイルCはついにSS産駒が勝てなかったG1ですが、長らく出走馬が少なかったこと・近年の第2世代の活躍を見ても、安田記念のような苦戦傾向は見られません。 これは過去の馬券圏内馬を見ても、NHKマイルカップ・Vマイルの好走馬で安田記念も好走した馬というのはほとんどいません。ウオッカくらいでしょうか。テレグノシスのNHKは改修前なので。ウオッカにしても昨年のVマイルでは高適性のブルーメンブラッドに負けていますしね。逆にスウィープトウショウはSSと反対のベクトルのダンシングブレーヴの血を持ち、Vマイルで負け安田で好走しています。 以上長くなりましたがまとめです。 安田記念はNHKマイルC・Vマイルとは適性的にかなり異なるレースであり、両レースでの好走はこのレースには直結しません。ディープスカイはただ好走しただけでなく、高適性を如何なく活かして勝利したわけですから、適性的に違う性質を持つこのレースでは向いていない可能性が高いです。2強と称されていますが、不安があるのはディープスカイのほうです。 次回は安田記念の好走血統を中心に注目馬を検証していきます。 |
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