【七夕賞】展望
過去の七夕賞の血統データから好走血統を見ていきます。

福島2回最終週、1年を通じて、そしてすべての競馬場を見渡して、もっとも極悪な馬場となる開催です。G1の施行される東京などほど綿密な手入れをしないこと、雨が多い時期であること、そして4月と6月に1,2回開催が間隔をおかずにあることが要因です。そのため、血統適性を有することと同時に、馬場の状態を見極めて最適なコース取りをする騎手に導かれることがポイントです。07年のサンバレンティン、08年のミヤビランベリともに血統適性も十分でしたが(後述します)、後藤騎手、吉田豊騎手のコースどりのうまさも光りました。特に07年の後藤騎手の騎乗は美しかったです。
では、好走血統を見ていきます。まずは近5年で3頭の勝ち馬を出している
サンデー(SS)×
ノーザンテースト(NT)系の配合(8人1着、6人1着含む)。07年サンバレンティンは08年宝塚記念11人3着したインティライミの全兄です。宝塚の記事でも触れましたが、キレ味鋭い
SS系の劣勢な重賞で、スピードの持続力で勝負するタイプの
SS×
NT配合だけ好走する傾向があります。七夕賞も、福島の芝中距離重賞ということで、キレ味不足の馬が息を吹き返すレースといえ、このことはステップとしてエプソムC(東京T1800m)で凡走した馬の巻き返しが多いことからも伺えます。今年の出走馬にこの配合は残念ながらいませんが、まずは当重賞の性質を把握していただけるといいです。先週のラジオNIKKEI賞に引き続き地味系
SS系というなら、連闘ですがレオマイスターには注目でしょう。
近2年では、
サドラーズウェルズ(SW)の血を持つ馬の好走が目立ちます。07年2人2着(
父SW)、08年7人1着(
父SW)、11人2着(
父母父SW)と、対象4頭中3頭が好走しています。過去を遡っても、
ダンシングブレーヴ(リファールLP系)の血や、
ニジンスキー(NJ)系、
ネヴァーベンド(NB)系に
グレイソヴリン(GS)系と、欧州の主要血脈を持つ馬が中心となります。スタミナの問われる福島芝中距離の特徴が素直に出ているといえます。
SW系の血を持つ馬は、昨年1,2着のミヤビランベリとミストラルクルーズと、デストラメンテ、トーセンアーチャーがいます。トーセンアーチャーはダートでの活躍が目立っていますが、3歳時にラジオNIKKEI賞で15人5着と激走しており、適性はあると思います。デストラメンテは前走のように
GS系のお祭り馬場でお祭り男になる素質がありますので、日曜の馬場が雨でそうなれば注目でしょう。
他には、好走血統という裏づけはありませんが、
父母父レッドゴッド(RG)系、
母母父NJ系という血統構成のホッコーパドゥシャなどは、エプソムCからの巻き返しという臨戦過程も含めて好走の匂いが漂います。