過去に行なわれた【京成杯AH】の血統データから血統傾向を見ていきます。
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レッドゴッド(RG)系』
『
サンデー(SS)系×
ノーザンテースト(NT)配合』
『
ノーザンテースト(NT)系』
過去の京成杯AHの血統データ(9年分)

中山芝1600mは、そのコース形態から、他場の1600m戦とは異なる特性を持ちます。2コーナーの引込み線からスタートし、外周りコースを通るため、実質的に3コーナーと呼べるところがありません。その結果、ペースが落ち着くことなく外周りのなだらかなカーブを各馬回って直線に入るため、次のようなラップとなります。
08年京成杯AH 12.2-10.1-10.5-11.2-11.9-11.9-12.2-12.1
これに対し、一般的な1600mのラップが強調されたような関屋記念(新潟1600m)のラップは次のようになります。
09年関屋記念 12.2-10.8-11.6-12.3-12.1-11.3-10.7-11.7
関屋記念を代表とする一般的な芝1600mは、中盤に12秒台と落ち着くところがあり、残り3F~2Fの区間が最も速くなります。最後の直線における瞬発力が勝因となることが多いです。これに対し、中山1600mは、スタート後の2F目の最も速い区間を基点として、徐々に減速しながらスピードを維持するようなラップで、1200mのレースに酷似します。イメージとしては、1200m戦を若干緩くして400m延長した感じです。その結果、中山1600mの重賞だけに活躍が見られる血統が存在します。
注目血統
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レッドゴッド(RG)系京成杯AHでは、マイネルモルゲンが04,05年と連勝し、全盛期を過ぎた06年にも5着と踏ん張っています。また、当馬は04年に同じく中山1600mで施行されるダービー卿CTでも7人気で勝利しています。ダービー卿CTも
RG系が強いレースで、グラスワールドが02,03年に1,3着し、03年にはマイネアイルが10人気で2着しています。マイネアイルは同年の京成杯AHでも10人気4着と好走しています。このように、前述した特殊なラップとなる中山1600mの重賞において、
RG系はよい適性を発揮します。
なお、中山1600mで施行される重賞は上記の2重賞のほかに、朝日杯FSとニュージーランドTがありますが、2歳または3歳限定戦となるこれらの重賞では、ラップが一般的な1600m戦と同様となり、
RG系の活躍が見られません。古馬重賞に限定して考えて頂けるといいです。
今年の該当馬は
フライングアップルです。当馬は
RG系の適性が特に出ない朝日杯FSで4着敗退しており、この条件への適性が隠れている点は妙味を感じます。ただ、出走馬決定順が現在23位で、出走できない可能性があります。
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サンデー(SS)系×
ノーザンテースト(NT)配合
07,08年と連勝中なのがこの配合です。当ブログで何度も指摘しているとおり、この配合はスピードの持続力で勝負するタイプが多く、中山1600mの特殊なラップに対する適性もあります。今年の該当馬は
タマモナイスプレイですが、当馬は、当重賞と性質的に対極の関係にある関屋記念で◎を打ってしまったため、現在どう評価しようか思案中です。一応、当馬を評価する方向で、考えた事をつらつらと記してみたいと思います。
まず、配合的には、タマモナイスプレイは
フジキセキ(FJ;SS系)×
ノーザンテースト(NT)、
母母父にハンプトン(HP)系の血が入っています。これは、07,08年の勝ち馬キングストレイル、キストゥヘヴンにも言えることで、大きく推せる点です。
次に、
フジキセキ×
NT配合の活躍馬を挙げ、その適性を考えてみます。芝ではニューベリー(関屋記念3着、京都金杯2着)、ブルーリッジリバー(
桜花賞2着)、ゴールデンダリア(
セントライト記念2着)、そして当馬の全兄タマモホットプレイ(シルクロードS1着・スワンS1着)などがいます。過去の京成杯AHでの
SS系×
NT配合の活躍馬は、04年2着のシャイニンルビーが
桜花賞3着、08年1着キストゥヘヴンが
桜花賞1着、07年1着のキングストレイルが
セントライト記念1着の実績があり、
フジキセキ×
NT配合は、京成杯AHでの活躍も見込める適性を内包しているといえます。
・
ノーザンテースト(NT)系上記の系以上に圧倒的な適性を誇るのは
NT系でしょう。過去6頭出走して2着4回と抜群の成績です。しかも、特性の異なる関屋記念と京成杯AHとで連続して連対したカンファーベストの存在が際立っており、
レッツゴーキリシマの出走が叶えば、今年も重い印を打つことになるでしょう。しかし、出走馬決定順で現在28位、ちょっと難しいですね。