過去に行なわれた【東京スポーツ杯2歳S】の血統データから血統傾向を見ていきます。
『
母父サンデーサイレンス(SS)の独壇場』
過去血統データ(9年分)

登録馬の血統

『馬場改修工事で傾向が変化』
東京の芝重賞の中には、02-03年に行なわれた改修の前後で傾向が変わるレースもあります。
東京スポーツ杯2歳Sはそのうちの一つといえます。
このレースは最後の直線でラップが急に速くなる、いわゆる勝負所が存在します。
このポイントが
改修前はラスト3ハロン→2ハロンにかけてあり、改修後は4ハロン→3ハロンと手前にシフトしています。改修によって各コーナーのカーブが緩くなったことが原因と思われます。
今秋の毎日王冠・府中牝馬Sでもふれましたが、東京の1800m重賞はペースによってレースの質が違ってくる度合いが大きいのが特徴です。よって上記のような変化がおきているこのレースは改修後の03年以降のデータに限定して分析をします。
『
母父サンデーサイレンス(SS)向きの瞬発力が要求されるレース』
とにかく目立つのが
母父サンデーサイレンス(SS)です。3勝をあげ出走した5頭がすべて馬券圏内と完璧です。
改修後のラップが一気に速くなる4ハロン→3ハロンというのは4コーナーのカーブの出口にあるので、いくら改修でカーブが緩くなったとはいえトップスピードに入りづらい面があります。
そのポイントで一気に加速できるのが瞬発力に優れる本家サンデーサイレンス(SS)の魔法であり、このレースに強い理由といえます。特に
母父サンデーサイレンス(SS)が勝った3年は、4ハロン→3ハロンだけでなく3ハロン→2ハロンでもラップが上がっています。
実は
同コースの共同通信杯にも、以上のラップ・血統分析がほぼそのまま当てはまります。
両レース通算の
母父サンデーサイレンス(SS)の成績はなんと5-2-2-3と圧倒的です。
(参考)共同通信杯

他の古馬・東京芝1800m重賞ではこの傾向は見られないので、若駒レース特有のペースによるものでしょう。
このレースは新馬勝ちから参戦してきた馬が3連勝中ですが、新馬戦はスローの瞬発力勝負になることが多いというのはひとつの要因かもしれませんね。
今年の登録馬では、
ヤングアットハート・ローズキングダムが該当します。
次はこの2頭も含めて、その他の好走血統を見ていきます。
『芝中距離G1でも勝負になる瞬発力を備えた米国血統』
東京スポーツ杯2歳Sは
父フォーティーナイナー(FN)系の成績がよいです。4頭出走で、6人2着・11人4着・9人1着です。
この他にも東京スポーツ杯2歳S・共同通信杯で走った
父ミスタープロスペクター(MP)系は、
エンドスウィープ・エルコンドルパサー・ウォーエンブレム・スマートストライクなど芝中距離G1でも勝負になる種牡馬です。
一般に
ミスタープロスペクター(MP)系はパワーがありスピードの絶対値は非常に高いものの、
サンデーサイレンス(SS)系と比べると瞬発力では見劣ります。
ただ上記の種牡馬は芝中距離G1でも対応できる、瞬発力を備えたレベルの高い種牡馬です。
ラストでスピードの絶対値が問われるこの条件で、瞬発力を備えた
ミスタープロスペクター(MP)系が強いのは頷けます。
ローズキングダムは
キングカメハメハ(KG系)×
サンデーサイレンス(SS)です。
キングマンボ(KG)系が芝中距離G1で勝負になる血統なのはよいです。あとは
キングカメハメハが上記の種牡馬と肩を並べられるようになるかですが、
トワイニング(FN系)産駒のフサイチアソートでも勝っているので杞憂かもしれませんね。
ヴァイスリージェント(VR)系も米国血統で芝G1でも走れるという点で、
ミスタープロスペクター(MP)系との共通するところがあります。
フサイチリシャール・ブレイクランアウト・マッチレスバローなどがこの2つのレースで好走しています。
ヤングアットハートは
フレンチデピュティ(VR系)×
サンデーサイレンス(SS)です。
フサイチリシャールと同配合で、シンゲンの半弟です。
前走はこのレースに近いラップで勝っており、人気が無さそうで面白い存在です。
この2頭を軸に、人気馬の多くを占める
サンデーサイレンス(SS)系第2世代の馬達の取捨を含めて、週末の結論といたします。