展望通り、
サンデーサイレンス(SS)系からというのは決まっていたのですがその選択に悩みました。
ファイングレインは好走例の多い
SS系×
ノーザンダンサー(ND)系ですでに昨年好走していますが、一度スプリンターに転じた
SS系の旬は短い(通常絶頂期から1年以内;スズカフェニックス・ペールギュント・オレハマッテルゼなどを例に)印象で重い印は打てません。
マルカシェンクは
SS直仔ですが、すでに2度出走して圏外です。
ダンスインザダーク産駒は
SSらしいキレが活きるこのレース向きとは思えず、
ザレマ・ストロングガルーダも候補から外れます。
となると残った
SS系は、
グレイソヴリン(GS)系を併せ持つ
キャプテントゥーレ・ヒカルオオゾラ・アブソリュート・スマイルジャックのグループです。
この配合は過去のマイルCSに出走がほとんどないのが悩みの種でした。基本的にはやはり好走例がある方が安心感はありますが、今回は他の要素から予想してみます。
サンデーサイレンス(SS)系のキレが活きるG1のひとつとして天皇賞秋があります。ここから臨んでくる馬も多く、このレースを基に考えて生きます。
天皇賞秋で
SS×
グレイソヴリン(GS)系の好走は04年のアドマイヤグルーヴ9人3着ですが、この年はレースの上がり3Fが35.1で、アドマイヤグルーヴ自身は34.9でした。
これに対して、人気2頭(ハーツクライとリンカーン)が敗退したのは05年で、この年はレースの上がり3Fが33.6で1,2着馬の上がりは32.7でした。この年はキレ味鋭いSS牝馬のヘヴンリーロマンスとダンスインザムードが波乱を演出しました。
このことから、この配合は
キレが求められるものの上がりが若干遅くなるレースで適性を発揮すると考えられます。
このあたりは同じSS有利のG1でも、キレ味に特化したVマイルとは違うところです。
ちなみに、ハーツクライとリンカーンは、上がりが35.5(有馬の標準的な上がりですね)かかった有馬記念でなかよく4人1着、6人3着と馬券になっています。ほかにも、道中の攻防が激しく上がりが35~36秒台が一般的なダービーではこの配合はほどよく活躍しています(アドマイヤベガ・ハーツクライ。ドリームパスポートなど)。
マイルCSの上がりは、
08年 34.7
07年 34.7
06年 34.2
05年 35.0
04年 34.6
03年 35.7
です。
1600mなので、天皇賞より若干時計が速くなりますが、マイル戦を総じて考えれば、上がりがかかる部類に入るでしょう。
この配合はマイル以下の重賞に出てくる例が少ないのが特徴ですが、基本的に厳しい流れになって、キレが要求されるものの極限の脚が求められないマイル戦には向いていると思います。
よってこのレース向きであり、
SS系×
GS配合は狙えると判断しこの4頭を中心にいきます。
なお、キレ味鋭い(極限の脚が使える)ダンスインザムードが2着した04,06年は、過去の6年で上がりが速い1,2位でした。
◎
キャプテントゥーレは、
アグネスタキオン産駒です。
天皇賞秋のようにSS直仔が幅を利かせていたG1というのは、最もSSらしいキレを持つタキオンにも向きます。天皇賞秋でも本命にしましたが、天皇賞秋で狙った理由は今回も当てはまります。
その前走は想定したペースにならなったのが誤算でした。この配合はハーツクライやリンカーンの天皇賞での着順を見ても、スローのヨーイドンになると厳しいです。秋天と比べてこのレースはそれほど例年のペース差は大きくないのでその心配は少ないです。
サンデーサイレンス(SS)系&
グレイソヴリン(GS)系の傾向は朝日CCで活かした実績があります。
正直2番人気はつらいですが、今年のメンバーなら仕方ないですね。
○
アブソリュートは母がこのレースで相性がいい、
SS×
ノーザンテースト配合です。
サンデーサイレンス(SS)系&
グレイソヴリン(GS)系の傾向は東京新聞杯・富士Sで活かした実績があります。
勝った重賞2つがいずれも上がりがかかっており、このレースにあうとみます。
▲
ヒカルオオゾラは京都の条件戦で勝利したころのラップは上がりがかかるもので、一時本命も考えました。ただ過去の馬券圏内馬はみな格の高い馬ばかりで、重賞未勝利のSS系で勝負になるのかというのがありました。
また最も向いたエプソムCで2度勝てなかったことや、同傾向で競り合ったスマイルジャックに負けて関屋記念をものにできなかったあたりをマイナスと見ました。
△
スマイルジャックは、この配合には厳しい流れだった毎日王冠・天皇賞は度外視できます。
サンデーサイレンス(SS)系&
グレイソヴリン(GS)系の傾向は東京新聞杯・関屋記念で活かした実績があります。
1人気のカンパニーについて。
最近感じるのは、
グレイソヴリン(GS)系父系は
こと東京の重賞に関しては、
SS&
GS系配合よりも瞬発力の問われる(極限の脚が求められる)レースに強いということです。これは毎日王冠・府中牝馬S・今年の天皇賞秋や、オークスなどの考察によるものです。
今年の毎日王冠・天皇賞はかなり瞬発力に特化したレースだったので、安易にここ2戦の成績を鵜呑みには出来ないと思います。マイルCSでは、
SS&
GS系の方が適性が上と見て逆転を狙いたいですね。
◎9キャプテントゥーレ
○7アブソリュート
▲12ヒカルオオゾラ
△5 6 3 4
サンデーサイレンス(SS)系&
グレイソヴリン(GS)系配合のグループ4頭は過去にこの傾向を活かした、この血の特徴がよく出た馬達です。過去を見ても来るときはまとめて来る配合なので、馬券的にはBOXを含めた総取りまで視野に入れたいですね。