![]() 『ダート重賞の米国型or日本型血統分類』 昨年末のブログ開設後ここまで約1年間JRAのダート重賞を考えてきましたが、その経験から気づいたことがあります。 ダート重賞においては、ダート重賞特有の血統的偏りが生じやすいということです。 これは武蔵野S展望でお披露目した理論(そんなに大層なものだとは思いませんが)ですが、今週は大一番があるので初見の方のためにももう一度まとめておきます。 簡単に言ってしまえばブラッドバイアスなのですが、血統分類の仕方にやや特徴があるのでまず最初にご紹介します。 その分け方はシンプルに下の2つです。まあ現実的にはそのどちらともつかない血統もあり、大別するなら3種ともいえます。 1.米国型ダート血統 2.日本型ダート血統 ダート競馬はもちろん米国を中心に発展しており、日本にも多くの米国ダート血統が入ってきました。しかし同じ血統でも日本においては馬場が異なるので、当然同一に考えることができません。この馬場の違いは芝よりも大きいのではないかと思うことも多々あります。米国と日本のダートは比較対象にもならないくらい違うので、当然この2つの血統グループの適性も違う方向性を持っています。米国型ダート血統が走れる馬場なのかどうかの見極めが大切で、米国型ダート血統が走れない馬場ではどんな日本型ダート血統が強いのかというのがポイントです。 それぞれの代表的な血統をあげておきます。 1.米国型ダート血統 (ヴァイスリージェント(VR)系・ボールドルーラー(BR)系・ワイルドラッシュ産駒・ダンチヒ(DZ)系・フォーティーナイナー(FN)系など) 2.日本型ダート血統 (ブライアンズタイム(BT)系・キングマンボ(KG)・レッドゴッド(RG)系・母父ネヴァーベンド(NB)系・母父セントサイモン(ST)系・母父リアルシャダイなど) もちろん配合にもよるので一概には言えませんが、上記が一応の目安です。あとは個々の馬についてしっかり見て特徴をつかんでいくことが大切です。 あとこの分類で気をつけていただきたいのは、米国型ダート血統はその血を持った馬を単純に当てはめますが、日本型ダート血統については米国型ダート血統が力を出せないときに逆に力を発揮する血統と定めているところです。つまりこのどちらのグループにも属さない血統は、日本のダート重賞ではあまり目が出ないと考えていただいていいと思います。 『今年のダート重賞の復習』 これを元に今年これまでに行なわれたダート重賞を振り返っておきましょう。ペースによる差が出やすい1600m以上のレースについて分類しました。 (注)あくまで今年の結果です。傾向がはっきりしているレースもあれば、毎年同じタイプにならないレースもあります。 1.米国ダート型レース(フェブラリーS・ユニコーンS・レパードS・エルムS) ![]() ・フェブラリーS 勝ったサクセスブロッケンは父母父ボールドルーラー(BR)系のシンボリクリエス産駒で、母母父がヴァイスリージェント(VR)系という血統構成です。2着カジノドライブがボールドルーラー(BR)系×ヴァイスリージェント(VR)系、3着カネヒキリも母父ヴァイスリージェント(VR)系(当馬については完全な米国型ではないと思っていますが、詳しくは展望その2で)というとてもアメリカンな結果でした。 ・レパードS/エルムS 今年新潟1800mで行なわれた2重賞です。 エルムSを勝ったマチカネニホンバレはヴァイスリージェント(VR)系が入ったシンボリクリスエス産駒で、サクセスブロッケンと同じタイプです。その他の馬券圏内馬もワイルドラッシュ産駒と父ヴァイスリージェント(VR)系が2頭ずつでした。 この4レースで好走している馬は米国型ダートレースになると力を発揮することが確認された馬達です。 今回の登録馬では、おもにサクセスブロッケン・スーニ・シルクメビウスあたりです。 ******************************************************************* 2.日本ダート型レース(平安S・マーチS・アンタレスS・東海S・シリウスS・武蔵野S) ![]() 繰り返し好走している馬もいますが、血統の偏りが確認できます。 ワンダーアキュート・ワンダースピードの兄弟で4勝しており、この兄弟は母系がセントサイモン(ST)系で埋め尽くされているのが特徴です。 ・シリウスS 母父セントサイモン(ST)系・母父ネヴァーベンド(NB)系が重要なレースで、◎ワンダーアキュートでしっかり的中させることができました。 この2つを含め上で日本型としてあげた血統のブライアンズタイム(BT)系・キングマンボ(KG)・レッドゴッド(RG)系を見ても、芝の中長距離戦でも好走できる血が並んでいます。このスタミナが米国型血統が弱いレースで、力を持つものと思われます。 また、このレースでは米国型レースのエルムSで好走していたワイルドラッシュ産駒のナムラハンター・クリールパッションが人気で敗退しました。 ・武蔵野S このレースも今年は日本型と読み、◎ワンダーアキュートで臨みました。当馬は完勝してくれたのですが、相手にしっかり印を打たないミスをしました。展望では名前をあげていたブライアンズタイム(BT)のワイルドワンダーと母父ネヴァーベンド(NB)系のダイショウジェットを予想の印では無視してしまいました。展望通り買っていれば3連単も夢ではなかった!?。 というのもこのレースは人気上位の多くが米国型血統で、このグループが全滅したレースだったからです。サクセスブロッケン・マチカネニホンバレ・トランセンド・テスタマッタ・ラヴェリータ・シルクメビウスが沈むレースで、絶好の高配当のチャンスを逃しました。 今回の登録馬でこれらのレースで複数回好走しているのは、エスポワールシチー・ダイショウジェット・ワンダーアキュート・ワンダースピードといった面々です。 この分類の有用性としては、シンプルゆえに汎用性が高いこととがまずあげられます。大きく分けているので、好走血統があっても出走馬に該当馬がいないという悲しいことはまずないです。 そして上の例でもふれましたが、どちらか一方に偏った結果になることが非常に多いために馬券が絞りやすいことです。本命が来ても相手が抜けるということは競馬では多々あります。しかしこの分類をしっかりして相手は本命と同じグループから選べば、少ない点数でもまとめて取れる(武蔵野はそうなるはずだった)公算も高まります。もちろんタイプ選びの2拓で間違うと悲惨なことになりますが。組み合わせの馬券を買う上で、一緒に来やすい馬や逆に揃って好走することはない馬の組み合わせがわかれば非常に大きいです。 ダート以外でも、夏ごろは本命は勝つものの相手が抜けるという歯がゆい時期がありましたが、この適性が似ていて一緒に来やすい血統をしっかり考慮するようになってから、まとめて取れるレースもいくつか出てきました。 あともう一点は配当面です。向くか向かないかが二極化されることが多いので、向いた条件で好走し次走向かない条件で人気で飛ぶということや、その逆もあります。 というわけで、結構気に入っている理論です。 さて肝心のジャパンカップダートはどちらのタイプのレースなのか? 次回はその見極めをし注目馬をあげていきます。 長文に最後までお付き合いいただいてありがとうございます。 展望その2は明日の更新を予定しています。 |
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200912021200 |
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