【中山金杯】の血統データから血統傾向を見ていきます。
『たとえ脚が遅くても~重厚な血統がものを言うレース~』
過去の中山金杯の血統データ(9年分)

まずは好走血統から見ていきます。
マウンテンストーン(97年2人2着)・
シンボリオレゴン(01年11人3着)・
クラフトワーク(05年1人1着)は、父が
ビーマイゲスト(BG)系です。08・09年連覇の
アドマイヤフジも母父にこの血を持ちます。
この系統に傾向が出ている重賞というのは珍しく、注目したい点です。
マイネルブリッジ(98年5人3着)・
シグナスヒーロー(99年8人3着)
・アサカディフィート(04年4人1着など)は、父が
ネヴァーベンド(NB)系です。母父でも好走馬が多く、特に
クラフトマンシップ(01年10人2着)・
クラフトワークの兄弟と
ワールドスケール(04年5人2着)は
ネヴァーベンド(NB)系の強いクロスを持っていました。
母父はともかく、近年父系でこの血の傾向が出ているレースは少ないです。
カリスマサンオペラ(01年8人1着)・
クラフトマンシップ(01年10人2着)・
ミヤビランベリ(09年11人3着)は、父が
サドラーズウェルズ(SW)系です。
ミヤビランベリが走れるレースであるというのは、ひとつのポイントだと思います。
この3つの血に共通するのは、重厚な欧州血統である点です。近年の日本のスピード優先馬場ではスピード負けしがちな血統ですが、このレースでは結果を残せています。
これは中山金杯が
スピードがそれほど要求されず、欧州的なスタミナによったレースであることの証だといえます。
34秒台の上がりを使ったことがなかった、
カリスマサンオペラ・シンボリオレゴン・トーアメイウンのような、
脚の遅いタイプでも(翻っては脚が遅いが故に)走れてしまうのがこのレースの特徴です。
次に、過去の好走馬が持っていた実績を見てみます。
好走率が高いのは、
福島芝中距離重賞もしくは函館記念で好走実績がある馬です。
グルメフロンティア 98年 1人1着 / カブトヤマ記念3着
マイネルブリッジ 98年 5人3着 / 七夕賞 福島記念
シグナスヒーロー 99年 8人3着 / 後に七夕賞2着
ジョービッグバン 00年 4人1着 / 函館記念
クラフトマンシップ 01年 10人2着 / 函館記念
カンファーベスト 03年 10人3着 / カブトヤマ記念1着入線
アサカディフィート 04年 4人1着など / 福島記念3着 函館記念3着
クラフトワーク 05年 1人1着 / 函館記念
マイネヌーヴェル 05年 6人2着 / 福島牝馬S2着
ヴィータローザ 06年 7人1着 / ラジオたんぱ賞
カナハラドラゴン 06年 8人3着 / カブトヤマ記念3着
エアシェイディ 08年 2人2着 / 函館記念2着
ミヤビランベリ 09年 11人3着 / 七夕賞
福島芝中距離重賞や函館記念は、他場と比べ時計がかかりやすい馬場で、上がりも要する条件です。
これは上の中山金杯ポイントにも合致することで、一種の脚が遅い検定になると思います。
ブルーマーテルは
ネヴァーベンド(NB)系で、母母父にもこの血を持ちクロスがあります。
近走はスピードが要求される東京を中心に使われており、格上挑戦でもスタミナが問われるこの条件なら面白い存在です。
トウショウシロッコは
アドマイヤベガ×
ノーザンダンサー(ND)系で、アドマイヤフジと共通点があります。
福島記念2着と実績もあります。
サニーサンデーは、福島記念・ラジオNIKKEI賞2着と福島巧者です。
ベストは福島でしょうが、今回に限ってはこの実績が活きるはずです。