【東京新聞杯】の血統データから血統傾向を見ていきます。
『昨年の結果をどう見るか~
サンデーサイレンス(SS)系&
グレイソヴリン(GS)系の固め打ち~』
『
セントサイモン(ST)系が鍵~
サンデーサイレンス(SS)系の取捨~』
『
ライブコンサートの不安要素』
過去の東京新聞杯の血統データ(9年分)

『昨年の結果をどう見るか~
サンデーサイレンス(SS)系&
グレイソヴリン(GS)系の固め打ち~』
昨年のこのレースは、不良馬場ということもあってか、例年とは異なる決着となりました。
東京新聞杯(09年)
1着
アブソリュート(5人気)
タニノギムレット×
サンデーサイレンス(SS)2着
キャプテンベガ(15人気)
サンデーサイレンス(SS)×
グレイソヴリン(GS)系3着
スマイルジャック(9人気)
タニノギムレット×
サンデーサイレンス(SS)タニノギムレットは
父ブライアンズタイム(BT)の特性をほとんど受け継がず、自身の母父である
グレイソヴリン(GS)系が強く出た種牡馬であることは、くり返しこのブログでもご紹介しています。
つまり昨年は
サンデーサイレンス(SS)系と
グレイソヴリン(GS)系を併せ持つ馬の1~3着独占でした。出走馬でこの条件を満たすのは4頭だけでした。
そこで重要となるのが、この傾向が一過性のものなのか、そうではないのかということです。
昨年の上位3頭が揃って登録があり、再び走るかどうかの見極めが第1のポイントでしょう。
同じく古馬の混合で、左回りの芝マイル重賞は、G1を除いて関屋記念・富士Sがあります。
関屋記念(09年)
1着
スマイルジャック(2人気)
タニノギムレット×
サンデーサイレンス(SS)2着
ヒカルオオゾラ(1人気)
サンデーサイレンス(SS)系×
グレイソヴリン(GS)系4着
キャプテントゥーレ(4人気)
サンデーサイレンス(SS)系×
グレイソヴリン(GS)系5着
キャプテンベガ(7人気)
サンデーサイレンス(SS)×
グレイソヴリン(GS)系富士S(09年)
1着
アブソリュート(6人気)
タニノギムレット×
サンデーサイレンス(SS)この2つのレースでも昨年は、同様に
サンデーサイレンス(SS)系&
グレイソヴリン(GS)系が上位を占めています。出走馬で条件を満たすのは、それぞれ4頭・1頭でした。
同じ馬がくり返し走っているのも多く、単にコース適性の問題という見方もあるでしょうが、自分はそうは思いません。
実際同コースで行なわれる安田記念ではこの血統傾向は見られず、昨年の
アブソリュート・スマイルジャックも不発に終わりました。
これはレースの格や道中のペースによるものも大きいと思います。
もうひとつポイントなのは、昨年の東京新聞杯と富士Sでは、その週にこのレースだけでなく
東京芝1600m全体でサンデーサイレンス(SS)系&グレイソヴリン(GS)系の傾向が出ていたことです。
この傾向は配合で出る血統傾向では、今の日本競馬で最も頻度が高く、そして強く出ることが多いです。東京芝1600mも出やすい条件のひとつといえます。
これはこの2つの血が、今の日本の芝競馬で主流となっていることと同値だと思います。
問題はこの"開催傾向"が今回も出るのかどうかです。
この開催傾向というのは、そのときの馬場状態によるものが大きく、突発的に出ることが多いです。やってみないとわからないところがあり、開幕週で土曜開催の今回は判断が難しいです。
昨年の東京新聞杯・関屋記念は馬場が渋っており、雨が降ったときに若干出やすい印象はありますが、これも自然現象なので予想しづらいところがあります。
というわけで、この傾向が出るかどうかを現時点で判断するのは難しいです。
ただ、
アブソリュート・キャプテンベガ・スマイルジャックにしろ、キャプテントゥーレにしろ、最近はこの傾向が出たときしかほとんど好走がないということは言えます。この傾向が出なかったときは、不安が残ります。
一緒に固まって来やすいということは、走るポイントが似ているということで、いなくなるときはまとめて消えるという可能性も考えておいたほうがいいと思います。
はっきりとした判断は出来ませんが、馬券としては、買う場合はこの3頭は一緒に、消す場合はまとめて無視というはっきりした態度のほうがよさそうです。3頭なので軽視の場合も、押さえとして買ったほうが安心ではありますが。
『
セントサイモン(ST)系が鍵~
サンデーサイレンス(SS)系の取捨~』
馬場改修後の04年以降、6年で4勝しているのが、
父サンデーサイレンス(SS)系です。
勝てなかった2年ですが、09年は上記の決着で、08年は
SS系を潰す先行力を持つ、
ローレルゲレイロが引っ張った速い流れでした。
というわけで、
SS系から入るので問題ないと思われます。
その
SS系の中で好走馬が多数出ているのは、
セントサイモン(ST)系の血を持つです。血統表の4代前までにこの血を併せ持つ馬の成績です。04年~07年にかけて4連勝しています。
98年(対象馬1頭)
1着
ビッグサンデー(3人気) 母母母父
00年(対象馬2頭)
5着
キングオブダイヤ(11人気) 母母父
02年(対象馬2頭)
2着
ディヴァインライト(9人気) 母母父
04年(対象馬2頭)
1着
ウインラディウス(7人気) 母母母父
05年(対象馬5頭)
1着
ハットトリック(1人気) 母父
6着
オーゴンサンデー(13人気) 母父母父
06年(対象馬3頭)
1着
フジサイレンス(11人気) 父母父
07年(対象馬2頭)
1着
スズカフェニックス(1人気) 母母父
先述の富士Sに加え、
NHKマイルC・ヴィクトリアマイルでも、この血統条件を満たす馬の好走が目立ちます。
NHKマイルCでは、
ファイングレイン・キンシャサノキセキ・ティープスカイ・ジョーカプチーノ、ヴィクトリアマイルでは、
ダンスインザムード・コイウタ・アサヒライジング・エイジアンウインズなどです。
つまり1つめのポイントの
サンデーサイレンス(SS)系&
グレイソヴリン(GS)系と比べて、
セントサイモン(ST)系入りの父サンデーサイレンス(SS)系は東京芝マイル重賞の絶対的な好走血統と言えるかもしれません。
以前、左回りの芝マイル重賞では
フジキセキ産駒が強いことにふれましたが、これはフジキセキ自身が
サンデーサイレンス(SS)×
セントサイモン(ST)系であることが大きいと思われます。
これは
ジョーカプチーノを輩出した、
マンハッタンカフェにもあてはまります。
今年の登録馬でこの条件を満たす馬をあげておきます。
ストロングガルーダ・スピードタッチ・チョウカイファイト・トウショウウェイヴ・レッドアゲートこの中で面白いと思っているのは、
チョウカイファイトです。
アグネスタキオン産駒の東京芝1600mの成績も良く、母母父に
マルゼンスキー(NJ)が入っているのも注目です。
というのも先述の
ウインラディウス・フジサイレンスは、
SS系×
マルゼンスキーだったからです。
これは
アサヒライジングにも言える事で、
ジョーカプチーノ・ダンスインザムードも
ニジンスキー(NJ)系持ちという点で共通点があります。
出てくれば注目の1頭です。
『
ライブコンサートの不安要素』
今回東京の芝マイル重賞の関連性を中心に考察しましたが、こと
安田記念に関しては他のレースと一線を画した血統傾向をもちます。
安田記念はこのレースと違い
サンデーサイレンス(SS)系が弱く、
ノーザンダンサー(ND)系と
ネイティヴダンサー(NA)系を併せ持つ馬が強いレースです。厳しいラップになりやすく、
SS系のキレ・スピードより、ノーザンダンサー(ND)系&ネイティヴダンサー(NA)系の持続力が生きると考えられます。この傾向は安田記念特有のもので、他のレースでは見られません。
ライブコンサートは
ノーザンダンサー(ND)系×
ネイティヴダンサー(NA)系で、昨年の安田記念(15人気5着)で本命を打ちました。
この馬は瞬発力勝負は明らかに苦手で、昨年の富士SやマイラーズCなどは完全にキレ負けしました。
サンデーサイレンス(SS)系が強いこのレースでは、前半がかなり速い流れにならない限り厳しい戦いになるとみています。
同じ
サドラーズウェルズ(SW)系×
ネイティヴダンサー(NA)系の
アサクサデンエンも、安田記念好走では好走しましたが、このレースでは2人気で4着に敗退しています。
今年の安田記念は最有力と見ているだけに、今回は軽視し人気が落ちるのを待ちたいと思います。