【チューリップ賞】の血統データから血統傾向を見ていきます。
『
母父サンデーサイレンス(SS)が覚醒する条件』
過去のチューリップ賞の血統データ(3年分)

『
母父サンデーサイレンス(SS)が覚醒する条件』
このレースは過去に、
母父サンデーサイレンス(SS)が4頭出走してすべて馬券圏内に入っています。
08年
1着
エアパスカル(5人気) 父
ウォーエンブレム(ミスタープロスペクターMP系)
2着
トールポピー(1人気) 父
ジャングルポケット(グレイソヴリンGS系)
09年
2着
サクラミモザ(7人気) 父
ティンバーカントリー(ウッドマンWD系)
3着
ルージュバンブー(8人気) 父
マリエンバード(ニジンスキーNJ系)
改修後元年の07年は、
ダイワスカーレットが引っ張る緩みの少ない流れ(前半1000m通過59.8秒)になりました。
しかし08・09年は前半1000m通過が、ともに61.3秒とかなり遅くなっています。
08年
12.6 11.2 12.3 12.6 12.6 12.0
10.7 11.8
09年
12.5 11.1 12.4 12.6 12.7 12.2
11.1 11.9
残り3F→2Fで
急激にラップが速くなるポイントがあることがわかります。
これは同コースで行なわれる阪神JFでは見られません。
これがここ2年
母父サンデーサイレンス(SS)が激走している理由だといえます。
今年のメンバーを見ても、おそらくスローになるのではないかと思っています。
これと同じ傾向を示しているレースがあります。
東京芝1800mで行なわれる重賞の、東京スポーツ杯2歳S・共同通信杯です。(詳細は
こちら)
この2つのレースも、前半がスローで流れラップが一気に速くなるポイントが4F→3Fに存在します。
阪神の3F→2F、東京の4F→3Fというのは4コーナーのカーブ付近にあります。改修でカーブが緩くなったとはいえトップスピードに入りづらいポイントといえます。
そのポイントで
一気に加速できるのが瞬発力に優れる本家サンデーサイレンス(SS)の魔法であり、このレースに強い理由といえます。
両方ともこの傾向が出たのは改修後です。
JRAは東京・阪神のような改修を次々に行なっているので、今後この手の傾向が出るレースは増えるのではないかと思います。
個人的には好きではないのですが、しっかり傾向が出ているならそれに乗るまでです。
今年の登録馬で
母父サンデーサイレンス(SS)系は2頭です。
ベストクルーズ 父
クロフネ(ヴァイスリージェントVR系)
ワイルドラズベリー 父
ファルブラヴ(フェアリーキングFK系)
ベストクルーズは
父ヴァイスリージェント(VR)系で、ファンタジーSや父か母父に
ヴァイスリージェント(VR)系を持つ3頭で決まった阪神JFでは、この血の特徴をしっかり生かしています。
ファンタジーSでは、
サンデーサイレンス(SS)系と
ノーザンダンサー(ND)系の血が結果的にポイントになりましたが、ここで
サンデーサイレンス(SS)の適性も反映してます。
1人気が予想される
アパパネとの比較ですが、ともに
ヴァイスリージェント(VR)系を持つ点で共通点があり、阪神JFでその傾向を生かしています。ただ阪神JFと違って
サンデーサイレンス(SS)系が重要な今回は、当馬の
母父サンデーサイレンス(SS)系が逆転への大きなアドバンテージになるのではないかとみます。
ワイルドラズベリーは
父フェアリーキング(FK)系です。
この系統は、
ヘルスウォール・ワンカラットのようにトライアル向きの血統でもあります。
昨年の1着
ブエナビスタ・3着
ルージュバンブーに共通するのが、
サンデーサイレンス(SS)系と
ニジンスキー(NJ)系を持っていたことです。この傾向は共同通信杯でも出ているので、このレースでも出る可能性があります。
当馬は
母母父ニジンスキー(NJ)系です。
先週の
阪神血統分析でも注目した馬で、今の馬場にも合います。
内枠を引くようなら尚良く、あまり人気しないことを期待しています。
同じ
サンデーサイレンス(SS)系・
フェアリーキング(FK)系・
ニジンスキー(NJ)系を併せ持つ、
グリューネワルト・ストレンジラブもあげておきます。
東京スポーツ杯2歳S・共同通信杯のもうひとつの血統ポイントに、
芝中距離G1でも勝負になるミスタープロスペクター(MP)系というのがありました。
このレースで過去2頭馬券になったのは、ともに
母父サンデーサイレンス(SS)ですが、父の産駒に芝G1勝ちがあります。
エアパスカル 父
ウォーエンブレム(ブラックエンブレム)
サクラミモザ 父
ティンバーカントリー(アドマイヤドン)
アパパネはこれを考えれば、
ローズキングダムを出した
キングカメハメハ産駒で、条件にあてはまります。
ただ阪神JFの結果から、同馬は母父の
ヴァイスリージェント(VR)系の影響が強いのではないか、と思っています。
この馬をどのくらいの評価にするかが、ちょっと迷うところです。
この血統ポイントにあてはまる中で、もう一頭あげておきます。
オメガブルーハワイは
父サンデーサイレンス(SS)系で、母父が
エルコンドルパサーです。
1400mで2勝していますが、マイルのほうがむしろ良さそうです。