![]() 『天皇賞春を見据えない』 本番と直結しない前哨戦というのは、思いのほか存在するものです。 馬にとっては大変でしょうが、異なる適性が要求される条件で続けて好走することは、強い馬の証明にはなりますね。 馬券を買う方からすれば、前哨戦と本番の血統的ギャップを見極められれば、大きなアドバンテージを得ることができます。 阪神大賞典は以前は本番に直結するレースでした。 97年から00年にかけて、このレースの勝ち馬のマヤノトップガン・メジロブライト・スペシャルウィーク・テイエムオペラオーが、4年連続で続く天皇賞春も制しました。 しかし近年はこの傾向に翳りが見え、連覇したのは無法ディープインパクトとアドマイヤジュピタのみです。 これは近年天皇賞春の血統的な質が変わりつつあることが大きいと思われます。 詳しくは本番で述べますが、最近は真のステイヤー種牡馬が減ったことで、母父(母系)のスタミナ能力がものを言うレースになっている、ということだけふれておきます。 阪神大賞典と天皇賞春の血統的相違点を考える上でヒントになるのが、ダンスインザダークの菊花賞と天皇賞春での大きな成績の落差です。長距離G1の菊花賞と天皇賞春は同じ京都コースで1Fしか距離の違いがありませんが、求められる血統はかなり違います。菊花賞で無類の強さを見せるダンスインザダーク産駒が、天皇賞春ではまったく成績が残っていないこと一つとってもこの違いは明らかです。 そのダンスインザダーク産駒は、阪神大賞典ではダイタクバートラム・ファストタテヤマ・ザッツザプレンティ・デルタブルースが馬券圏内とまずまずの成績を残しています。阪神コースの阪神大賞典の方が、京都の天皇賞春より走れているのが特徴的です。 この点から考えて、阪神大賞典は天皇賞春とは適性が異なり、どちらかといえば菊花賞の方が近いとみます。 ということで、天皇賞春の前哨戦の意味合いが強いこのレースですが、本番とは切り離して考えたほうが良さそうです。 よくデータを扱うときに、同じ長距離ということで3000mと3200mは一緒くたにされがちですが、そうすることが傾向を見誤る原因となる可能性もあると思います。 阪神大賞典はむしろ、天皇賞春では走らなそうな馬を買い、天皇賞春の好走血統は軽視するくらいの感じで臨みたいですね。 『阪神大賞典にあって、天皇賞春にないもの』 天皇賞春の消し傾向として有名(?)なのが、母父サンデーサイレンス(SS)です。 0-0-2-15で、アイポッパー・ポップロック・アサクサキングス・スクリーンヒーローなどが人気上位で敗退しています。 阪神大賞典勝ち馬アイポッパー・アサクサキングスの2頭で3着が2回ありますが、昨年は阪神大賞典を勝って1人気になったアサクサキングスが圏外に沈みました。 それに対し、阪神大賞典での母父サンデーサイレンス(SS)は好調です。 3-3-1-3で、マイソールサウンド・アイポッパー・ポップロック・アサクサキングス・ヒカルカザブエが圏内に入っています。 昨年1・2着のアサクサキングス・ヒカルカザブエは、このレースでしっかり買って本番では買ってはいけない馬だったわけです。 今年の出走馬では、アサクサキングス・ホクトスルタンの2頭が該当します。 アサクサキングスは昨年○でしたが、今年も重い印が必要になりそうです。 ホクトスルタンは、母母父が菊花賞と天皇賞春の違いをものともしない真のステイヤーであるリアルシャダイです。力を出せる状態なら注目したい馬です。 ***************************************************************** 近年の阪神大賞典で好走が目立つのは、サンデーサイレンス(SS)系×グレイソヴリン(GS)系、またはその逆配合です。 04年 1着 リンカーン(2人気) サンデーサイレンス(SS)×トニービン(TB) 05年 1着 マイソールサウンド(6人気) タマモクロス×サンデーサイレンス(SS) 05年 3着 リンカーン(3人気) サンデーサイレンス(SS)系×トニービン(TB) 07年 2着 ドリームパスポート(1人気) サンデーサイレンス(SS)系×トニービン(TB) 09年 2着 ヒカルカザブエ(6人気) ジャングルポケット×サンデーサイレンス(SS) 出走した馬すべてが圏内に入っています。 特に母父サンデーサイレンス(SS)となる、マイソールサウンド・ヒカルカザブエのグレイソヴリン(GS)系×サンデーサイレンス(SS)がこのレースのベスト配合と言っていいでしょう。 昨年はヒカルカザブエに本命を打つことができました。 今年は残念ながら、グレイソヴリン(GS)系×サンデーサイレンス(SS)はいません。 以前にも書きましたが、トーセンキャプテンが出てきていたら魅惑の穴馬だったと思います。ジャガーメイルに至っては確勝クラスだったかもしれません。 そこで、次点のサンデーサイレンス(SS)系×グレイソヴリン(GS)系は人気馬がしっかり走っているという印象ですが、リンカーン・ドリームパスポートに先着したのは母父サンデーサイレンス(SS)のアイホッパーであったことからも、価値は高いと思います。 今年この配合なのが、コパノジングーです。 先述の2頭と比べてしまうと実績面がかなり厳しいですが、推せる要素もあります。 一つは先週の阪神馬場分析で当馬を注目馬としてあげたように、今の阪神芝でサンデーサイレンス(SS)系×グレイソヴリン(GS)系が好走傾向にあることです。 もう一つは、この馬が過去に好走したのは、今回と同じサンデーサイレンス(SS)系&グレイソヴリン(GS)系が出ているケースがほとんどという点です。つまりこの血統の特徴をしっかり受け継いでいるということです。 この血統馬はこの傾向が出ているときしか走らない馬が多く、狙いどころが分かりやすいです。 昨年ベスト配合だったヒカルカザブエでも2着だったので、アサクサに先着するのは難しいかもしれませんが、穴候補の要素は満たしていますね。 ちなみにこの配合も天皇賞春ではリンカーンの2着が最高で、本番にはつながりません。 昨年○◎△で3連単的中のレースです。 トーセンキャプテン陣営に出走を進言したい気分でした。 この馬はあまり合うレースを使ってもらっておらず、もう少し走れる馬だと思っているのですが。 |
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