![]() 『芝G1勝ち馬を輩出したミスタープロスペクター(MP)系』 このレースのポイントは、ミスタープロスペクター(MP)系の取捨選択です。 芝重賞でこの系統が重要となることは多々ありますが、その中でも決め手となる要素が存在するレースがいくつかあります。 ニュージーランドTは、そのようなレースのひとつといえます。 ************************************************************* このレースにおける決め手となる要素とは、芝G1勝ち馬を輩出したミスタープロスペクター(MP)系種牡馬を父か母父に持つことです。 日本だけでなく海外も含めて、芝G1勝ちの産駒を出した実績のある種牡馬を父か母父に持つ馬という条件で、過去10年の成績を見ていきましょう。 ・01年 1着(3人気) キタサンチャンネル <ヘクタープロテクター×ロジンスキー> ヘクタープロテクター産駒の芝G1勝ち馬 Shiva タターソールズゴールドC(愛;99年) ・02年 1着(11人気) タイキリオン <Wild Again×Miswaki> Miswaki産駒の芝G1勝ち馬 Misil ジョッキークラブ大賞(伊;93年)など2勝 Urban Sea 凱旋門賞(仏;93年) マーベラスクラウン ジャパンC(日;94年) Kistena アベイ・ドゥ・ロンシャン賞(仏;96年) Bachelor Duke アイリッシュ2000ギニー(愛;04年) ・02年 3着(5人気) メジャーカフェ <Gone West×Vice Regent> Gone West産駒の芝G1勝ち馬 Zafonic 2000ギニー(英;93年) など4勝 Lassigny カナディアンインターナショナルS(加;95年) Da Hoss ブリーダーズカップ・マイル(米;96年・98年) Johar ブリーダーズカップ・ターフ(米;03年) Marsh Side カナディアンインターナショナルS(加;08年) ・03年 1着(7人気) エイシンツルギザン <サクラバクシンオー×Fappiano> Fappiano産駒の芝G1勝ち馬 Difensive Play マンノウォーS(米;90年) ・04年 1着(1人気) シーキングザダイヤ <Storm Cat×Seeking the Gold> Seeking the Gold産駒の芝G1勝ち馬 シーキングザパール NHKマイルC(日;97年) モーリス・ド・ゲスト賞(仏;98年) マイネルラヴ スプリンターズS(日;98年) Dubai Millennium ジャック・ル・マロワ賞(仏;99年) クイーンエリザベス2世S(英;99年) プリンスオブウェールズS(英;00年) ・04年 4着(13人気) エイシンマルカム <Mr. Greeley×Honest Pleasure> Mr. Greeley産駒の芝G1勝ち馬 Reel Buddy サセックスS(英;03年) Finsceal Beo アイリッシュ1000ギニー(愛;07年) など3勝 Saoirse Abu フェニックスS(愛;07年) など2勝 ・05年 2着(11人気) イヤダイヤダ <マヤノトップガン×アフリート> アフリート産駒の芝G1勝ち馬 プリモディーネ 桜花賞(日;99年) ・05年 3着(7人気) インプレッション <サンデーサイレンス×Mr. Prospector> Mr. Prospector産駒の芝G1勝ち馬 Miswaki サラマンドル賞(仏;80年) Jade Robbery グランクリテリウム(仏;89年) Machiavellian サラマンドル賞(仏;89年) など2勝 Kingmambo 仏2000ギニー(仏;93年) ムーランドロンシャン賞(仏;93年) など3勝 ・06年 1着(1人気) マイネルスケルツィ <グラスワンダー×Machiavellian> ・09年 2着(5人気) ティアップゴールド <クロフネ×Machiavellian> Machiavellian産駒の芝G1勝ち馬 Vettori 仏2000ギニー(仏;95年) Invermark カドラン賞(仏;98年) Rebacca Sharp コロネーションC(仏;97年) Almutawakel ジャンプラ賞(仏;98年) Medicean エクリプスS(英;01年) Best of the Bests イスパーン賞(仏;02年) など2勝 Storming Home チャンピオンS(英;02年) など3勝 Right Approach ドバイデューティーフリー(唖;04年) Palace Episode レーシングポストトロフィー(英;05年) Tie Black 仏2000ギニー(仏;06年) West Wind フランスオークス(仏;07年) ・09年 1着(1人気) サンカルロ <シンボリクリスエス×Crafty Prospector> ・05年 5着(13人気) アグネスジェダイ <アグネスワールド×Crafty Prospector> Crafty Prospector産駒の芝G1勝ち馬 アグネスデジタル マイルCS(日;00年) 天皇賞秋(日;01年) 香港C(香;01年) 安田記念(日;03年) というように好走馬が多数います。 人気敗退は、ワンダフルデイズ<母父Woodman>(03年)、ムーンシャイン<母父アフリート>(04年)、シャドウストライプ<母父Gulch>(07年)がいます。 ただ、このうちワンダフルデイズはBoston Harbor産駒で距離不安がありましたし、シャドウストライプは初芝でした。 それほど気にすることはないと思います。 ダートを主戦場とするパワータイプの種牡馬が多いミスタープロスペクター(MP)系ですが、芝G1でも勝負になるスピードを兼ね備えた種牡馬がこのレースに合うといえます。 ************************************************************* この血統ポイントの重要性を裏付けるデータがあります。 上記の好走馬で、このミスタープロスペクター(MP)系と交配されている相手の血統に注目します。 サクラバクシンオー産駒で連対したのは、エイシンツルギザンだけです。 サンデーサイレンス産駒で馬券圏内に入ったのは、インプレッションだけです。 マヤノトップガン・グラスワンダー・シンボリクリスエスが属する、父ロベルト(RO)系で馬券になったのはイヤダイヤダ・マイネルスケルツィ・サンカルロの3頭だけです。 クロフネが属する、父ヴァイスリージェント(VR)系で馬券になったのはティアップゴールドだけです。 ポイントを満たしておらず、馬券にならなかった馬には人気馬も多く含まれます。 このように相手方の系統がいいから走ったのではなく、このポイントにあてはまるミスタープロスペクター(MP)系の適性が好走を生んだと言えるでしょう。 ************************************************************* 逆にこのポイントを外していた、ミスタープロスペクター(MP)系もあげておきましょう。 ・02年 12着(2人気) エストレーノ <Holy Bull×Native Prospector> ・08年 12着(1人気) ゴスホークケン <Bernstein×Grand Slam> ・09年 7着(3人気) ダノンゴーゴー <Aldebaran×Potrillazo> これらはそれぞれのミスタープロスペクター(MP)系種牡馬に、芝G1実績がありませんでした。 ************************************************************* 以上をもとに、今年の登録馬の中から注目馬をあげていきます。 ・ツルマルジュピター <マンハッタンカフェ×Miswaki> 母父のMiswakiが大きな魅力です。 過去にはタイキリオンが11人気で勝利しています。 このMiswakiにしろMachiavellianにしろ、自分自身も現役時代に芝G1を勝っていて、芝G1勝ち産駒も多いというのがミソかもしれません。 同じ血統ポイントで狙った昨年の小倉2歳Sでも、母父Miswakiのダッシャーゴーゴーに◎を打ち2着に好走したように、この傾向を生かせるいい印象があります。 また血統とは直接関係はないですが、前走で阪神芝1400mを使っていた馬に激走が多いという点があります。 上記のエイシンツルギザン・イヤダイヤダ・ティアップゴールドと、マイネルフォーグ(16人2着;07年)がこれに該当します。 ニュージーランドTは2・3歳の芝マイル重賞の中では、中盤に緩みがなく厳しいペースになりやすいレースです。 阪神の芝1400mも同じように、淀みのない流れから、最後1Fの時計を要する我慢比べになりやすいコースです。 そこでそのラップを経験済みの馬にアドバンテージが生まれるのだと思います。 当馬の前走も速いペースで逃げた、レベルの高いレースでした。 距離不安が囁かれている分(実際そうかもしれませんが)、人気薄になりそうで面白い存在ですね。 ・ダイワバーバリアン <マンハッタンカフェ×Kingmambo> Kingmamboはこのレースでの実績はないですが、エルコンドルパサーを筆頭に海外でも多くの代表産駒がいます。 自身に芝G1勝ちがある点もいいです。 こちらは人気でしょうが、有力といえますね。 ・コスモセンサー <キングカメハメハ×リヴリア> キングカメハメハが、朝日杯勝ち馬ローズキングダムを出しています。 ただ、支流よりミスタープロスペクターの根幹に近いほうが威力がある印象で、ミスタープロスペクター直仔である、Kingmamboを持つダイワのほうを優先したいですね。 ・クォークスター <アグネスタキオン×ヘクタープロテクター> ヘクタープロテクターは、過去にキタサンチャンネルの好走があります。 ・レト <ザカリヤ×コマンダーインチーフ> 確かに、ザカリヤ産駒に芝G1実績はなく、このポイントにはあてはまりません。 ただ過去にGone West(GW)系が3頭中2頭が走っていることや、Gone West(系)の芝G1勝ち馬の多さから、それをカバーする魅力があるのは確かです。 だいぶ長くなってしまいました。 最後まで読んでいただいた方、お疲れさまです。 データに関しては丁寧に調べたつもりですが、如何せん今回は海外が入っているので、何か間違いがあればご指摘いただけると幸いです。 おそらくG1ウィークに、ニュージーランドTにこんなに時間を割いている人も少ないでしょう^^ いい分析ができたと思いますが、はずれるときはあっさりもありますしね。 ただ海外のミスタープロスペクター(MP)系のいい勉強にはなったとは言えますね。 |
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