![]() 『ペースとヴィクトリアマイルとの関連性』 阪神の芝1400m重賞というのは、この条件に滅法強い、所謂スペシャリストが多いように、どのレースでも同じ性質の競馬になりやすい面があります。 そういう意味では、個別のレースだけに限らず、重賞どうしの横の比較も使いやすいといえます。 しかし、この阪神牝馬Sに限っては、そう簡単に片付けられない問題があります。 古馬混合重賞の阪急杯・阪神Cでは毎年ほぼ一定の速いペースで流れますが、牝馬限定のこのレースではペースのバラつきが目立ちます。 前半1000m通過タイム/ラスト1Fタイム 06年 56.7秒/12.6秒 07年 56.9秒/12.0秒 08年 58.5秒/11.6秒 09年 58.2秒/11.7秒 06・07年は前半がかなり速いペースで流れ、上がりタイムを要しました。 それに対し、08・09年は前半がかなり遅く、速い上がりタイムが出ました。 3歳牝馬戦のフィリーズRを除けば、基本的に阪神芝1400m重賞では、前半1000m通過が57秒台前半が普通で、56秒台に入ることもあります。 当然上がりタイムもかかることになり、その結果この条件特有の適性が求められることになります。 06・07年はこのコースの重賞らしいレースであり、08年・09年は異質といえます。 ********************************************************** 血統的には、この条件らしいラップになった場合はダート的な血統が走りやすいです。 前傾ラップがダート戦と似ているというのが、一因だと思います。 このペースの場合は、他の阪神芝1400m重賞の好走血統を参考にするのもありだと思います。 このレースはヴィクトリアマイルの前哨戦の意味合いが強く、ここから本番に向かう馬も多いです。 しかしながら、阪神芝1400mと東京芝1600mというのは関連性がほとんどないコースというのがミソになっています。 特にヴィクトリアマイルはスローで流れて、瞬発力勝負になりやすいレースであり、持続力が必要とされる阪神芝1400mとは、性質を異にします。 それを表すように、06・07年の勝ち馬であるラインクラフト・ジョリーダンスは本番では圏外でした。 しかし、08・09年のようなペースになった場合はどうでしょうか。 08年の1・2着であるエイジアンウインズ・ブルーメンブラットは、本番でも1着・3着しました。 確かに、09年は07年の覇者でもあるジョリーダンスが勝っていますが、これはこのコースに滅法強いダンスインザダーク産駒特有の適性かもしれません。 人気を集めたポルトフィーノ・アルティマトゥーレがこけたこともありますしね。 このペースの場合は、ヴィクトリアマイルでも好走できるような、サンデーサイレンス(SS)系でも瞬発力があるタイプが狙いとなります。 ********************************************************** 注目馬をペースごとに見ていきます。 「ハイペースの場合」 ・ワンカラット <Falbrav×Pistolet Bleu> 前半1000mが57.5秒で流れた阪急杯で2着に好走しています。 フィリーズRの勝ち馬でもあります。 まさに本来の阪神芝1400mらしい血統です。 ただ近2年のようなペースになると、この血統の持ち味が生きない恐れがあります。 ・ラドラーダ <シンボリクリスエス×Seeking the Gold> 配合的に阪神1400mに強い、サンカルロと被るものがあります。 しかし、シンボリクリスエス産駒にしては妙にキレる印象があります。 毎日杯展望でリルダヴァルに対して言及した、この牝系の影響かもしれませんが。 ・カノヤザクラ <サクラバクシンオー×Woodman> この馬はサクラバクシンオー産駒にしては珍しい、上がりを要してスタミナが要求されるレースに強い特徴を持っています。 スプリンターズS3着で同産駒初の馬券対象馬となりましたが、その年のスプリンターズの1・2着は阪急杯の1・2着が入れ替わった形で、上がりを要するものでした。 阪神芝1400m未出走で、適性が隠れている分、面白い存在といえます。 ------------------------------------------------------------------------ 「スローペースの場合」 ・アイアムカミノマゴ <アグネスタキオン×Danzig Connection> ヴィクトリアマイルでも好走できるような、サンデーサイレンス(SS)系でも瞬発力があるタイプという点を考慮すると、サンデーサイレンス(SS)系×ダンチヒ(DZ)系という配合は魅力です。 この配合は東京の瞬発力が要求されるG1に強いのが特徴です。 08年の勝ち馬で続くヴィクトリアマイルも制した、エイジアンウインズとは同じ配合で、母母父ミスタープロスペクター(MP)系まで同じです。 ダート戦で未勝利・500万下を勝っている点も共通しています。 デアリングハートも同じ配合ですが、この馬も当馬と同じフィリーズR2着で、ヴィクトリアマイルでも3着に入っています。 難しいレースです。 牝馬限定重賞というのは、ペースにバラつきがあることが多く、ペース次第で結果が180度変わってしまうことも多々あります。 この条件の伝家の宝刀である、ダンスインザダーク産駒がいれば楽な話なのですが。 ペース予想もしっかりして、結論を出したいと思います。 |
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201004091500 |
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