【皐月賞】の血統データから血統傾向を見ていきます。
『血統傾向の変化~
ブライアンズタイムと
トニービン~』
『
欧州型ノーザンダンサー(ND)系』
過去の皐月賞の血統データ(10年分)

『血統傾向の変化~
ブライアンズタイムと
トニービン~』
中山の芝重賞が02~03年を境に血統傾向が変化したことは、これまでも繰り返しふれました。
この傾向変化が起こった原因は芝の違いにあります。
中山芝コースは03年の連続開催の対策で、芝を02年までに少しずつオーバーシードに変え始め、連続開催の前に完全なオーバーシード馬場になっています。(秋の4回開催のみ野芝オンリーです。)
皐月賞と有馬記念という、中山で行なわれる中長距離G1も例外ではありません。
ブライアンズタイム産駒はかつて、この両レースの好走血統でした。
もちろん同種牡馬自体の衰えもありますが、03年以降はその勢いが影を潜めました。
逆に芝が変わった03年以降、好走が一気に増えた系統があります。
それが
トニービンです。
・皐月賞
06年 2着
ドリームパスポート(10人気)
サンデーサイレンス(SS)系×
トニービン07年 1着
ヴィクトリー(7人気)
ブライアンズタイム×
トニービン08年 1着
キャプテントゥーレ(7人気)
サンデーサイレンス(SS)系×
トニービン・有馬記念
03年 2着
リンカーン(4人気)
サンデーサイレンス×
トニービン05年 1着
ハーツクライ(4人気)
サンデーサイレンス×
トニービン08年 2着
アドマイヤモナーク(14人気)
サドラーズウェルズ(SW)系×
トニービンヴィクトリーは
ブライアンズタイムの適性ではなく、
母父トニービンの適性を活かしたとみています。
元来
トニービンの血は東京巧者として知られており、両レースでも以前はむしろ適性の低い血統でした。
それが芝の変化に伴い、主に母父で力を発揮するようになりました。
『
欧州型ノーザンダンサー(ND)系』
この芝の変化が向いた系統は他にもあります。
それが、欧州色が強い
ノーザンダンサー(ND)系の系統です。
特に全兄弟の関係にある、
サドラーズウェルズ(SW)系と
フェアリーキング(FK)系に激走が増えました。
・皐月賞
06年 1着
メイショウサムソン(6人気)
父サドラーズウェルズ(SW)系07年 1着
ヴィクトリー(7人気)
母母父サドラーズウェルズ(SW)系09年 1着
アンライバルド(3人気)
母父サドラーズウェルズ(SW)系09年 4着
シェーンヴァルト(15人気)
母父フェアリーキング(FK)系・有馬記念
03年 2着
リンカーン(4人気)
母母父サドラーズウェルズ(SW)系06年 2着
ポップロック(6人気)
父フェアリーキング(FK)系08年 2着
アドマイヤモナーク(14人気)
父サドラーズウェルズ(SW)系特に
ヴィクトリー・シェーンヴァルト・リンカーン・アドマイヤモナークは、前述の
トニービンを併せ持っていました。
ちなみに中山2200mで行なわれたジャパンCでも、
フェアリーキング(FK)産駒の
ファルブラヴが勝利、2着は
トニービンと根幹が同じである
母父グレイソヴリン(GS)系の
サラファンでした。
また、
メイショウサムソン・トライアンフマーチの母父である
ダンシングブレーヴにも注目です。
この馬や
トニービンは凱旋門賞馬ですが、このレースを勝つような欧州色の強いタイプが狙いといえます。
・
ネオヴァンドーム <
ネオユニヴァース×
トニービン>
母系は以前の中山には不向きの血統で、だからこそ今回のポイントにあてはまるのではないかと思います。
その母系には
ノーザンテースト~
ボールドルーラー(BR)系と有馬記念好走血統も入っています。
皐月賞では近年この血統を持った
サンデーサイレンス(SS)系があまり出てきませんが、
ノーザンテースト持ちの
ダイワメジャーからも可能性を感じます。
近年の中山芝中長距離重賞の好走血統が凝縮されています。
ネオユニヴァース産駒が今の中山芝で来ていませんが、雨の影響も残りそうですし、重賞傾向を重視したいですね。
・
レーヴドリアン <
スペシャルウィーク×
Highest Honor>
母父グレイソヴリン(GS)系で、欧州色の強さはネオ以上です。
厳しいペースになれば浮上が見込めます。
・
ダイワファルコン <
ジャングルポケット×
サンデーサイレンス>
中山が苦手だった
ジャングルポケットですが、その産駒が中山芝2000mで成績を残しているのも、上記のことが原因だと思います。
母が
ダイワメジャーの全姉である
ダイワルージュで、ネオと似た血統構成です。
・
ヒルノダムール <
マンハッタンカフェ×
ラムタラ>
ラムタラが凱旋門賞馬です。
ふれていない馬もいますが、軽視馬も含めてあとは予想記事に譲ります。
土曜の馬場も確認して、結論を出します。